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皆野町・猟師が店主のジビエ料理店「チルチルマサルキッチン」が3周年

店主の石黒勝(まさる)さんと妻の綾子さん

店主の石黒勝(まさる)さんと妻の綾子さん

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 皆野町の「リトリートフィールドMahora稲穂山」(皆野町皆野)森のホール内にある「チルチルマサルキッチン」が7月25日で3周年を迎えた。同店はジビエ料理や、自家栽培の果物やハーブを使ったジェラートやドリンクを提供している。

鹿の竜田揚げと、揚げギョーザがメインの「アゲアゲランチ」(1,400円)

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 店主の石黒勝(まさる)さんは大宮市(現さいたま市大宮区)出身。2011(平成23)年、穏やかな暮らしを求めて皆野町に移住した。自ら山を切り開いてセルフビルドした自宅で暮らしながら、果物やハーブなどを無農薬で栽培する農園「チルチルファーム」を運営している。

 石黒さんは猟師免許を持っており、「森の恵みのお裾分け」をコンセプトに、自ら捕獲した鹿を使ったジビエハンバーグ弁当(1,200円)やジビエキーマカレー(1,100円)、自家栽培の材料を使ったドリンクやジェラート(350円~)を提供している。「『ジビエ特有の臭みがなく食べやすい』『想像以上に肉が柔らかくジビエのイメージが変わった』などとの声を頂いている」と石黒さんは話す。

 「初めは『チルチルファーム』で鹿の獣害に対応するために猟師免許を取得した」と振り返る。想像以上に鹿を捕獲したため鹿肉の活用方法を考え、食肉処理施設との取引に加えて、鹿肉を中心とした飲食店の出店に至ったという。現在は、石黒さん自身が捕獲した鹿肉を調理して提供している。

 今年4月、新メニューとして「アゲアゲランチ」(1,400円)の提供をスタート。鹿の竜田揚げと、チルチルファームで育てたギョウジャニンニクを合わせた揚げギョーザがメイン。

 石黒さんは「10年前から鹿が急増していて、捕獲された後に食べられず放置されていることも多い。鹿肉は焼くだけではあまりおいしくないこともあり、調理に手間がかかるため家庭で食べられる機会が少ない。当店で鹿肉を食べていただき、おいしさを感じていただけたら、家庭でも食べてもらえるのではないかと思っている。貴重な命を、少しでも大切にするきっかけになれば」と話す。

 営業は土曜・日曜・祝日の11時~16時。テイクアウトにも対応する。

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