秩父札所1番「四萬部寺(しまぶじ)」(秩父市栃谷)が7月20日・27日、同寺向かいにある旅館「旅籠一番」とコラボし、座禅や写経、精進料理などの宿坊体験ができる宿泊プランを提供する。
秩父札所の観音霊場は34カ所あり「西国33カ所」「坂東33カ所」と共に日本百番観音霊場に数えられている。同寺から34番水潜寺(皆野町下日野沢)まで約100キロの巡礼となる。
同寺副住職の丹羽隆浩さんは曽祖父の代から四萬部寺の住職を務め、現在は父の信哉さんと寺を切り盛りしている。「昔から寺に物置のようになっている部屋があり、片付ければ人が集まれる場所になるのではと思っていた」と隆浩さんは振り返る。
部屋を片付け、現在は写経体験や寺ヨガ、御朱印帳を作るワークショップなどの会場として活用している。「空き部屋で宿坊体験もできればと考えていたが、寺の向かいが旅館なので一緒にできないかと声をかけた」とも。「秩父巡礼スタートのお寺として、願いを深めるお手伝いをしたい。願いを深めれば、きっと生き方や行動が変わっていく」そんな思いを持つ、と話す。
宿坊プランでは座禅を行ったり、読経や本尊に祈りをささげる「朝のお勤め」、本堂の掃除や写経などを体験する。食事は夜に精進料理、翌朝に修行道場を再現したおかゆなどを提供する。食事や入浴、宿泊は純日本造りの古民家旅館で行う。
「当寺は札所の1番で、発願・始まりの寺。これから札所巡りを始める人も、そうでない人も願いを深めて出発できるように、自分や自分の行動を見つめ直すきっかけになれば。いろいろな体験を詰め込むのではなく、ゆったりと自分と向き合う時間を過ごしてほしい」と話す。「まずは7月にスタートし、今後は様子を見て開いていきたい。寺の空気感や秩父の風土を感じ、自分だけの時間を味わってほしい」とも。
宿泊料は、1泊2日で1人1万7,000円~。宿泊予約サイト「じゃらん」と電話で受け付ける。