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秩父第一中、学校の安全点検業務をDX化 秩父地域初

読み取ると安全点検の項目記入ができる

読み取ると安全点検の項目記入ができる

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 秩父市立秩父第一中学校(秩父市滝の上町)が6月、教職員が毎月実施している校内安全点検業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)化した。秩父地域の学校では初のDX化となる。導入を支援したのは皆野町のITコンサルティング企業「MAREMI」(皆野町皆野)。6月5日に同校でDX化に伴う説明会を行い、6月9日、移行後初の安全点検業務を行った。

以前は点検結果を確認し、校長らが1枚ずつ捺印していた

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 安全点検業務は学校保健安全法で、学期に1度行うよう定められているが、同校では教育環境の安全を確保するために月1度の安全点検業務を行っている。同業務は教室や階段、トイレなどを含む同校内の95カ所の点検を全て行った後、その結果を担当の教員が95枚の紙に記入して、その後校長らが一枚ずつ結果を確認して押印していた。今回のDX化により各点検箇所に設置されたQRコードを読み取ることで、教職員はタブレット端末などから点検実施結果を、その場で送信。点検実施結果は即時自動集計され、管理者がすぐに結果を確認して異常検知できるようになった。

 今回のDX化について、MAREMI代表の吉岡健太朗さんは「なるべく多くの人がDX化の効果を実感できるようにすること、シンプルで作業者の負担を最小限に抑えられる運用を考えて、利用者が直感的に分かるデザインにすること、DX化の範囲を校内、特に教職員の中で完結する部分に絞ったこと、の3つを大切にして教員らと話を進めた」と話す。

 井上淳一郎校長は「本校は若手教員をはじめ、新しい取組にも積極的な人が多いので、ありがたい。業務の効率化が図れるのであればと、どの先生もおおむね良い感触で取り組んでくれているように感じる」と話す。「教育活動の充実のため、業務内容を見直し、削減・圧縮できる部分は改善していきたい」とも。

 吉岡さんは「仕組みを作るまでできても、実際に導入し運用していくまでがDX推進の難しいところ。井上校長が迅速に決断し、先生方も『まずはやってみよう』と前向きな姿勢で向き合ってもらえたので、円滑にプロジェクトを進めることができた」と振り返る。

 安全主任の新井悠平教諭は「仕事が効率化しそうな良いイメージを持てた。以前のやり方と比較した時に、仕事量が明らかに少なくなるためDX化して良かったと感じる。作業が短縮された分の時間は、先生たちも家庭生活を充実させることが結果的に生徒のためになると考えているので、家族の時間として大切に使いたい」と話す。

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