寄居町の染物店「きぬのいえ」(寄居町寄居、TEL 048-581-5298)が6月1日、服の染め直しサービス「SOMA Re:(ソマリ)」において数量限定で黒以外のカラーでの染め直しを始めた。
同店は呉服裏地の産地問屋として創業し、1990(平成2)年に染め物分野に進出。吉田昌弘社長の父、昌治さんが1993(平成5)年に京都染織協会から「現代の染織家10人」の一人に認定されるなど、その染色技術は高く評価されている。
6月1日で3年目を迎えたソマリは、色あせて古びたシャツ、ジャケット、ジーンズなどを洗濯し直し、手作業で丁寧に染め直す。これまでに染め直した衣服は4000着を超えるという。平均的な見積金額は、シャツを黒色に染める場合で2,090~3,080円、ボトムスで3,080~4,180円。染め上げた衣類は同店で一定期間預かることができ、手放したければ同店で販売することもできる。
染め直しを担当する染物職人の井澤さんは「ソマリに『捨てるなら、染めよう』というキャッチフレーズがある。この言葉のように、シミが付いたり、色あせて捨てるしかなかったりした服を染め直すことで、捨てる前の選択肢を増やして少しでも捨てられる服を減らすことができれば」と話す。通常は黒のみで染め直しているが、現在は数量限定で黒以外のカラーでの染め直しを行う。
そのほか、2021年からサンダルの製造も行っている。以前は他社とのコラボ商品だったが、今年は自社製造。刺し子の布に染料を吹き付けて染めた青と赤のビーチサンダルを200足作り、寄居駅南口の拠点施設「Yotteco(ヨッテコ)」で4月から販売している。価格は1足3,520円。
吉田さんは「一足一足、色も見た目も違う、同じものがないサンダルになっている。足になじみ、履きやすい。心地よさを味わってほしい。これからも『染め』という伝統の技術を残していけるよう、日々精進していく」と話す。