旅するチョウ「アサギマダラ」を呼ぶプロジェクトが始動した秩父市立西小学校(秩父市金室町)で5月12日、「秩父 蝶(ちょう)を呼ぶ花の会」会長の久保栄二さんの講演が行われた。
同小3年生~6年生の児童約200人がアサギマダラの特徴や習性について学び、その後、3年生約50人の手でアサギマダラの好物であるフジバカマ350本が同小敷地内の花壇などに植栽された。
八木達也校長が昨年行われた秩父市環境市民会議主催の環境セミナー講演「秩父のチョウ」を聴いた際に初めてアサギマダラについて知り、「児童にこのチョウを実際に目で見てほしい」と思ったことがきっかけ。
アサギマダラは羽の色があさぎ色(薄い青緑色)で、黒いまだら模様がある大型のチョウ。春に南から北へ、秋に北から南へと長距離約2000キロを海を渡り移動するのが特徴。秋に南下する際、フジバカマの花の蜜を吸い休みながら移動する。
講演は、多くの写真や動画をプロジェクターで映しながら行われた。「バタバタはばたかず、風に乗って優雅にグライダーのように飛ぶ」「幼虫は毒を持っていて、派手な色をしていて敵に食べられないようにしている」など、久保さんの話に児童らは目を輝かせていた。
講演後、3年生は校庭に出て、「秩父 蝶を呼ぶ花の会」会員らの協力の下、フジバカマの苗を植え付けた。この苗は昨年札所23番音楽寺(寺尾)境内に植えられたフジバカマから株分けしたもので、順調にいけば9月下旬~10月に花を咲かせるという。3年生の坂本乃彩さんは「きれいな色の花が咲いてほしい。チョウがたくさん来てほしい」と話していた。
八木校長は「3年生だけでなく、みんなで一生懸命育ててほしい。西小にアサギマダラを呼びましょう」と児童に呼びかけた。「児童が家庭でアサギマダラについて話したり、これをきっかけに自然に興味を持ってもらえたら。地域の人にもこのプロジェクトを知ってもらえたら」とも。