寄居町にある宗像神社(寄居町藤田)の例大祭で使われている7台の山車が文化庁の補助を受けて改修された。寄居駅南口駅前に整備された広場や観光案内所などがオープンするのに合わせて4月29日、山車の巡行が行われ、駅前の中央通り線でお披露目される。
宗像神社の山車は江戸末期から明治初期にかけて造られたものと伝えられ、秋の例大祭で行われている山車巡行は200年以上の歴史があるという。山王日枝神社(東京都千代田区)の「山王祭」や神田明神(同千代田区)の「神田祭」の影響を受けているとされ、茅町の「諫鼓鶏(かんこどり)」と、武町の「野猿(やえん)」が載る山車が今もそろって巡行する祭りは全国でも珍しいという。
今回の修復では、漆の塗り替えのほか、彫刻の岩絵具塗り替え、高欄(こうらん)や軒を支える部分の斗組(ますぐみ)などの改修が行われた。
4月29日は「寄居地区山車修復工事竣工報告祭」として、9時30分から宗像神社で神事を行った後に山車が境内を出発し、市街地を通り寄居駅南口周辺を巡行。その後、中央通り線に飾り置きされる。
宗像神社氏子青年会副会長の福島正幸さんは「今回のように7台全ての山車を一斉に修復したのは記録にない。今回は中央通り線に飾り置きをするので、彫刻や人形、漆塗りの美しさ、山車の構造などをじっくり見てもらえれば」と呼びかける。
山車の巡行は雨天中止。