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秩父定峰清流キャンプ場でメンマ作り体験、おいしく楽しく竹林整備目指す

Reveの柳原高久社長と田舎屋の塩川佑樹会社役員

Reveの柳原高久社長と田舎屋の塩川佑樹会社役員

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 「秩父定峰清流キャンプ場」(秩父市定峰)で4月10日、「純国産メンマづくり体験会」が行われた。体験は「Reve(レーブ)」(秩父市下宮地町)スタッフ研修の一環で、国内消費量の99%が輸入品とされるメンマを「おいしく、楽しく食べる」ことで日本の竹林整備につなげるのが狙い。

左から柳原高広社長、井上弘司さん、深澤義則さん

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 メンマは海外の品種「麻竹」でしか作れないとされていたが、福岡県糸島市の日高榮治さんを中心とした研究により、日本のモウソウダケや真竹でもメンマに加工できることが分かっている。日本では昔から竹を生活の中で活用してきたが、昨今は竹製品はプラスチック製品に、タケノコは安価な外国産に置き換わり、その結果、日本各地で竹林が放置されている。竹は成長が早く、周囲の木々の光合成を妨げて枯らしたり、地すべりの原因になったりするほか、放置された竹林が野生動物の住み処(か)になることで獣害被害をもたらすこともあるという。

 つけ麺・ラーメンの店「粋人」(宮側町)や手打ちそば店「田舎屋」(野坂町)を営むReveが経営する同キャンプ場は、「未来の住みやすい秩父づくりの一翼を担う」という思いで昨年4月にオープンした。近隣に竹林があるため、春にはタケノコ掘り、夏には竹を割って流しそうめんなどのイベントも行っている。

 メンマ作りは元飯田市エコツーリズム推進室室長をはじめとする地域活性化の専門家の井上弘司さんが講師を務め、純国産メンマプロジェクト副代表の深澤義則さんが防災用移動式のゆで釜など器具の面から監修した。

 本来は1~2メートルに育った幼竹を使うが、手頃なサイズの竹が生えていなかったため、50センチほどの大きなタケノコを使った。3%ほどの塩水でしっかりとあく抜きをしてから、しょうゆや酒や砂糖で味付けをして田舎屋の塩川佑樹会社役員がメンマに調理した。

 キャンプ場の総支配人でもあるReveの柳原高広社長は「まずはキャンプ場でお客さま向けの体験としてスタートして、参加者が竹林整備にも興味を持ってもらえたらうれしい。でき上がったメンマがおいしくできたので、ゆくゆくは当社が運営する飲食店でも『秩父産メンマ』として提供し、土産物にも展開できれば」と話す。「竹林整備は自然環境や防災、農林業などにも関わる課題なので、SDGsの開発目標にも沿った取り組み。メンマ以外にも竹炭を作ったり、青竹でご飯を炊いたり、竹を楽しみながら活用する方法を模索していきたい」とも。

 「純国産メンマづくり」は今後、同キャンプ場の体験メニューとして提供していく予定。

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