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秩父地域の材料を使った商品をブランド化 好事例発表会に8社登壇

カボス、しいたけ、ぽろたん栗、リンゴなど秩父の材料を使った商品事例も紹介された

カボス、しいたけ、ぽろたん栗、リンゴなど秩父の材料を使った商品事例も紹介された

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 秩父地域産品を利用した商品の好事例発表会が3月10日、秩父宮記念市民会館「けやきフォーラム」(秩父市熊木町)で開催され、2021・2022年度に「ちちぶ雇用活性化協議会」が伴走型支援を行った企業8社が登壇した。

秩父地域産品を利用した商品の好事例発表会に8社が登壇した

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 当日は2部制で発表。前半では食品を扱う4社、後半は木材を使った製品を扱う4社が登壇した。

 観光客向けに収穫体験などを行う「小松沢レジャー農園」(横瀬町横瀬)はコロナ禍で観光客が激減。収穫体験用のシイタケが大量に余り、乾燥させた干しシイタケの在庫は500キロほどにもなっていたという。今回の取り組みをきっかけに、現在は加工食品を作る施設も増設し、5月末~6月ごろにつくだ煮などの販売を始める予定。

 「石川漬物」(小鹿野町小鹿野)は、小鹿野町で2000年から生産されているカボスを使った新しい味のしゃくしな漬を開発。かんきつ系の漬物の事例は今までになかった。「カボスに寄せたフルーティーな漬物を目指すが、しゃくし菜本来の味が損なわれないように注意して進めている」という。

 創業102年の菓子店「亀沢屋」(皆野町皆野)は「ぽろたん」という品種の栗を使った商品開発に取り組んだ。ぽろたんは元々皮がむきやすい品種だが、あえて皮を残す渋皮煮にも挑戦。甘露煮やマカロンなども販売し、今年1月に女子栄養大学の学生と協力して開発した土産品の材料にも使われている。

 秩父ファーマーズファクトリー(下吉田)は秩父産の型落ちリンゴやブドウ、ミカン、カボスなどを使ったフルーツワインを商品化。リブランディングをする中で、酒店や土産店だけではなく、酒飯免許のあるアパレル店や雑貨店などにも視野に入れ、インテリアにもなるようなパッケージデザインを心がけた。

 自動車や電気機器の部品などを取り扱う「中川機器製作所」(みどりが丘)は、部品を加工する際に出るアルミ材を活用して「Colore(コローレ)」という時計のブランディングを強化。時計盤の土台に秩父の木材を使い、傷がついてゆがみや反りがある金属の廃材を研磨・洗浄・着色をしてよみがえらせ、時計のパーツに加工している。ホテルの客室や住宅メーカー、航空会社などへ販路を拡大した。

 「寺尾工げい」(寺尾)は秩父の無垢(むく)材を使った木工品を開発。ホームページの制作やネット通販サイト「Creema(クリーマ)」やSNSを活用した情報発信なども取り入れた。「以前は内向的な社風だったが、今後はより外への情報発信を行う」という。

 「工房 関野木材」(上野町)は木製の器やアクセサリーなどを藍染めした商品が代表的。製品を染める際にかめに漬ける手法をとってきたが、セラミックや漆、蜜蝋、柿渋やオイルなどさまざまな加工方法を試す機会となった。「商品にならないものもあったが、普段は使わない木材や染め方を試すことができた」という。

 「ちちぶ吉田くるみの会」(上吉田)はクルミや山ブドウの樹皮を加工してかごやアクセサリーを作っている。「鬼滅の刃」の登場人物の着物の柄として認知されるようになった「麻の葉柄」や「青海波」など新しい編み方を取り入れた。今回の取り組みで、「フェイスブックやインスタグラム、ユーチューブなどの運用方法などの活用によって今まで以上の発信ができた」と話す。

 同協議会の堀さんは「2020年10月に事業を始め、3月末で2年半の事業を終了する。この伴走型支援の取組みは短い期間のものなので、当協議会の活動はいったん終了してしまうが、今後も各社の発展を願っている」と話す。

 後半に発表した4社(中川機器製作所、寺尾工げい、工房 関野木材、ちちぶ吉田くるみの会」が今月18日、秩父地場産センター(宮側町)2階展示コーナーで該当商品の展示・販売を行う。開場時間は10時~15時。入場無料。

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