「寄居町を一年中桜が咲いているまちにすること」を目指して活動してきた住民有志の団体「一年中桜に出会える町よりい実行委員会」が3月、2008(平成20)年の創立から15年目を迎えた。町内に植え続けてきた桜は145種類、5500本を超え、今年も春本番を迎えようとしている。
同実行委員会は、会長を務める大久保和雄さんら4人が始めた。大久保さんらが子どもの頃、町内には玉淀河原や円良田湖、中間平という桜の名所があり、県内外からの見物客でにぎわっていた。近年は他にも桜の名所ができたことなどから、あまり人が集まらなくなったという。
大久保さんらが「桜でまた、寄居に人を呼び戻したい」と考えていた時、都内の知り合いから珍しい桜を譲り受け、桜には一説では300以上もの種類があることを知った。ソメイヨシノなどの単一の桜だけでなく「寄居に来れば、あらゆる桜に出合えるようにしよう」と実行委員会立ち上げを決意。その後、会員は23人にまで増え「300種、1万本」を目標に、町役場や町体育館などの公共施設、会社の敷地、協力してくれる民家の庭などに植樹を続けてきた。
町内では「氏邦桜」として知られるエドヒガンザクラをはじめ、3月下旬と10~12月に咲く「十月桜」や4月~7月と8月~11月に咲く「仁科乙女」、10月~3月下旬の「冬桜」などを植え、一年中いつ訪れても桜の花を見ることができることを目指している。
大久保さんは「一年の中でも多くの種類が咲く春が桜の最も見頃の季節。多くの人に訪れてほしい。桜を使って寄居らしい土産品も開発していきたい。共に活動してくれる会員も募集している」と呼びかける。