秩父神社の例大祭が12月1日から6日に行われている。秩父の街なかで、12月2日の宵宮では上町・中町・本町の計3基の屋台、3日の大祭では上町・中町・宮地・本町の屋台、中近・下郷の笠鉾、計6基の屋台・笠鉾が3年ぶりに曳(ひ)き回された。毎年当番が変わる屋台芝居は、宮地が当番町となった。
秩父夜祭は300年以上の歴史があり、京都の「祇園祭」、岐阜の「飛騨高山祭」とともに「日本三大曳山祭」の一つで、2016(平成28)年には「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録された秩父地域最大の祭り。屋台・笠鉾は20トンの重さを超えるものもあり、昼夜にかけて曳き手150人~200人が曳き回す。
屋台・笠鉾が曳行されている間、絶えず大太鼓・小太鼓・笛・鉦(かね)で秩父屋台囃子(ばやし)を演奏しているが、屋台・笠鉾の中で演奏しているため、一般客からはその姿が見えない。前進する時、ギリ回し(方向転換)する時など、それぞれの場面で音色を変え、曳き手を鼓舞した。
屋台・笠鉾の先端部には紅白襦袢を着た「囃子手(はやして)」が乗っている。囃子手は町会によって呼び方が異なり、宮地は「囃子(はやしこ)」、中町は「梶取(かじとり)」、本町は「襦袢着(じゅばんぎ)」と呼ぶ。囃子手は祭りの間は「神」として扱われ、一生に一度しか経験できない。2日間、声が枯れるまで昼は扇子、夜は提灯を片手に「ホーリャイ」の掛け声を上げ続け、祭りを盛り上げた。
2日・3日の夜は、花火が打ち上げられた。秩父市の発表によると、今年は2日が2万人、3日が26万4000人の計28万4000人の人出があった。