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秩父の音楽寺にアサギマダラ 「秩父 蝶を呼ぶ花の会」がフジバカマを植え誘致

武甲山を背景に写真を撮影したい、との思いからスタートした(撮影:久保栄二さん)

武甲山を背景に写真を撮影したい、との思いからスタートした(撮影:久保栄二さん)

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 秩父札所23番音楽寺(秩父市寺尾)の「蝶(ちょう)が舞う花の丘」(フジバカマ園)に現在、「旅するチョウ」として知られる「アサギマダラ」が飛来している。

音楽寺観音堂を背景に撮影したアサギマダラ(撮影:久保栄二さん)

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 アサギマダラは羽を広げると10センチほどのチョウで、薄いあさぎ色(薄い水色に近い色)をしたまだら模様の羽を持ち、細かく羽ばたかずふわふわと飛び、海を越えて2000キロもの距離を渡った記録もあるという。

 このアサギマダラを「武甲山を背景に写真を撮影したい」という思いから、「秩父 蝶を呼ぶ花の会」の久保栄二さんが音楽寺総代の原島久さんに声をかけたのは昨年10月頃。アサギマダラが蜜を吸う「フジバカマ」を植える提案をしたという。毎年の草刈りに困っていた原島さんは「これなら雑草の手入れをする意味も出てくるし、チョウが来たら参拝客も喜んでもらえるし、とても良いアイデアだと思った」と振り返る。

 久保さんは幼い頃からチョウを採集し、チョウを研究していた。20代になってからは趣味のカメラでチョウの撮影も行うようになり、秩父地域を中心にさまざまな場所で撮り歩いていたという。音楽寺の観音堂裏手の斜面からは武甲山と秩父公園橋が見え、「ここにチョウが来たら素晴らしい写真が撮れると長らく思っていたが、待っても待ってもチョウが来ないので、チョウを呼ぶことができないか考えた」と話す。

 今年2月頃から久保さんが声をかけて「秩父 蝶を呼ぶ花の会」の前身となる「秩父農工採集部OB会」のメンバーで木を伐採したり、雑草を刈ったり、斜面に枕木を敷いて盛り土をしたりして準備を続けた。地面の整備が整った3月頃にフジバカマの株を植え、その後は順調に株が育ち、10月2日、初めてアサギマダラの姿を確認。最大で40頭が飛翔(ひしょう)している日もあったという。

 原島さんは「来年は通路を広げようという話も出ていて、来場者が安全にアサギマダラの観察や撮影ができるようにできれば。アサギマダラの歌を作って音源化した人もいるので、ゆくゆくはコンサートなども企画したい」と意気込む。

 久保さんは「私は良いチョウの写真が撮りたいと思って活動していて、メンバーの中には植物好きで花を咲かせるのが楽しくて関わっている人もいる。それぞれの楽しみの結果、音楽寺や秩父が盛り上がれば」と話す。

 同会はこの音楽寺の他にも龍勢会館(吉田久長)と宝登山神社(長瀞町長瀞)、Mahora稲穂山(皆野町皆野)にもフジバカマの株を植え、それぞれアサギマダラの飛翔が確認できている。アサギマダラの飛翔は11月1週目頃まで。

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