小鹿野町の原島達明さん宅にある車庫を改築した「Hall REISUI(ホール レイスイ)」(三田川地区)で10月8日、第10回記念「秋風コンサート~チェロの調べにのせて~」が開かれた。
主催する原島さんは「2桁の10回を迎えられて良かった」と話す。10回記念で、曲の合間に入場時に配られた番号の中から主催者側が番号を読み上げ、4人に記念品を贈った。
チェリストの須田千香良さんはクラッシックや歌謡曲のバッグバンド、宝塚歌劇団、オーケストラのエキストラプレーヤーなどを経て、さまざまなシーンでの演奏活動をしてきた。今回、クラッシックやなじみのあるポピュラー曲を須田さんが奏でた。曲紹介ではユーモアを交えたり、途中、聴衆の中からのリクエストに応えたりもした。最後の2曲は原島さんの三男・教道さんが二重奏で演奏した。
教道さんは大学の管弦楽団に入ってチェロを始めた。チェロの低くて優しい音が好きだという。大学卒業後、プロオーケストラ楽団の事務局員として働いていた時にチェリストと会い、そこでも習ってきた。現在はサラリーマンとして働きながらチェロ愛好家として、都内を中心としたアマチュアオーケストラで年間15公演くらいの活動をしているという。
コンサート前に、茶室の「嶺翠軒(れいすいけん)」で表千家茶道を41年続けている妻の良子さんや師匠、先輩により抹茶やお菓子を振る舞った。
来場したALT(秩父市内英語指導助手)でカナダ出身の男性は「参加は今回で5回目。すてきな庭の中で素晴らしかった」と振り返る。一緒に来ていた同じALTでオーストラリア出身の男性も「和菓子とお茶を飲む機会があまりないので喜んで来た。着物がきれいだった」と話す。
市内から参加した70代男性は「妻がチラシをもらってきた。以前も聴いたことがあった須田千香良さんの演奏と知り参加した。西洋の曲だとなかなか付いていけないが、『リンゴ追分』など、なじみがある曲は『あっ、これは』と分かる。お茶と和菓子もおいしく頂いた」と話す。
原島さんは「我が家にコンサートホールとお茶室ができたので、2つを使ってもらって社会貢献のつもりでやっている。都内近郊へ行かなくても、こんなに近くで生の演奏が聴けるのは良いかなと思って…。お茶会も日常生活ではなかなか経験が少ない。これからも音楽を通して感動を与えたい」と思いを語る。
コンサートは年2回の開催を予定しており、次回は5月14日、鈴木松哲寿さんによる津軽三味線の演奏となる。