横瀬町の横瀬駅から徒歩15分ほどの場所にある寺坂棚田(横瀬町横瀬)で現在、約200万球の彼岸花が見頃を迎えている。
寺坂棚田は農業従事者の高齢化や後継者不足により一時期は耕作放棄地になっていたが、2001(平成13)年頃、地元農家が中心となって棚田を長期的に保存・活用する取り組みが始まった。棚田のオーナー制度や稲作体験などさまざまな取り組みを行い、現在では全体面積5.2ヘクタールのうち約4ヘクタールの水田が復活している。今年2月には農林水産省が選定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に埼玉県で唯一選ばれた。
農家や町内外のボランティアを中心にあぜ道に彼岸花を植え、開花時期の9月に合わせ「彼岸花まつり」を開いたり、7月上旬には約600個のかがり火を灯す「ホタルかがり火まつり」を開いて、「棚田をより親しむイベント」を行っていたが、コロナ禍の影響で2020年以降は中止となっている。
横瀬町観光協会の金子さんは「2020年からコロナの影響で棚田のイベントが開催できず残念だが、朱色の彼岸花と黄金の稲穂、真正面にそびえたつ雄大な武甲山の景色は、どこか懐かしく、古き良き原風景が楽しめる。この時期はブドウ狩りも楽しめるので、心地よい秋風とともに、横瀬町の魅力を存分に感じてほしい」と呼び掛ける。
入場料、駐車場代は無料だが、環境整備協力金の協力を呼びかけている。見頃は9月下旬頃まで。