長瀞オートキャンプ場で3月5日、イベント「長瀞外遊(ながとろがいゆう)」が開催された。同イベントは、アウトドアと環境問題を軸に、自然の中で遊ぶことで身の回りの環境のことを知っていくきっかけへつなげることを目的に開いた。
開催のきっかけは、長瀞町地域おこし協力隊で、環境問題を切り口とした町おこしプロジェクト「WITH RIVER(ウィズリバー)」代表でもある清水勇多さんが同キャンプ場のオーナー伊藤さんと話したことから。
同キャンプ場は2019年、台風19号により被災し、クラウドファンディングなどを利用して多くの人に助けられて復興した。「災害に遭ったキャンプ場だからこそ、環境のことを考えた取り組みをしていきたい」と伊藤さんは話す。
清水さんは「WITH RIVERでは2021年、長瀞から東京までSUP(サップ)で下り、ゴミ拾いをしながら川の上で環境問題について考える企画を実施した。きれいな川が東京に近づくにつれて汚くなっていくのを感じ、世界で起きる自然災害、自然の怖さや危機感を感じていた。今回は環境問題やゴミ問題、長瀞という場所で生きる私たちがそんな思いを共有し開催に至った」と話す。
イベント当日は「WITH RIVER」「長瀞オートキャンプ場」のほか、「アムスハウス&フレンズ」「カヌーヴィレッジ長瀞」「長瀞NEMAKI」が共同でイベントを実施。新型コロナウイルス感染防止にも配慮し、各事業者の招待客のみで開いた。
「いずれも長瀞で活躍している事業者と開催した。さまざまな事業者が一緒に手を取ることで、新たな形につながっていってほしい」と清水さんは期待する。
当日は事業者ごとに波久礼駅から白鳥橋、キャンプ場から河原に下りて下流から上流に向かい蓬莱島の端、水管橋スロープから左岸の河原など、ウオーキングやラフティングを行いながら、クリーン活動を実施。クリーン活動後はたき火を囲んで感想やおのおのの成果を発表していった。今回のクリーン活動で集まったゴミは合計で約100キロだった。
イベントに参加した群馬県在住の男性は「道路沿いに落ちているゴミは、捨ててあるのを見るとそこに連鎖して捨てる人がいるように感じる。子どもたちがゴミ拾いを楽しんでいて、いつもゲームばかりで遊んでいた子どもも外へ遊びに行くきっかけになったように思う。アウトドアを兼ねてゴミ拾いをするイベントは、環境を考える良い機会で、月1回くらいやってもいいと感じた」と話す。
清水さんは「次回はどのような形になるか分からないが、今後もゴミ拾い活動を継続し、川に遊びに来る人たちをきれいな状態で迎えられたら」と話す。