東秩父村の「道の駅東秩父村和紙の里」(東秩父村御堂、TEL 0493-82-1468)にある県指定有形民俗文化財の紙すき家屋で現在、村で取れたコウゾだけを使った「大河原和紙」の紙すき体験が行われている。
1956(昭和31)年、東秩父村は大河原村と呼ばれていた。その頃に作られていた和紙が「大河原和紙」と呼ばれていたことから、和紙の里は昨年4月、村内産コウゾ100%の和紙に「大河原和紙」の名前を復刻した。
紙すきは、煮て溶かしたコウゾの液(原液)を木枠に入った簀(す)ですくい上げて行うが、今回の体験では原液を何回かすくい上げて木枠を揺らして作る「流しすき」という技法で行う。1回しかすくわない「溜(た)めすき」よりも難しいが、むらのないきれいな和紙を作ることができるという。希望者は、出来上がった和紙に水を落として丸い模様をつける「落水」も体験できる。
体験を行う建物は築250年ほどのわらぶき屋根の「細川氏紙すき家屋」で、障子越しの光と裸電球だけで明かりを取る屋内には、いろりの火をたくこともあり、昔ながらの雰囲気も味わうことができる。
体験に訪れたさいたま市在住の小学3年の男児は「水を縦や横に振るのが重くて大変だった」と、できた和紙を広げていた。
和紙の里の市村太樹さんは「和紙や和紙すきは、子どもたちには未知の分野。ぜひ多くの方に来て体験してほしい」と話す。
体験時間は日曜の9時~14時。体験料は800円。和紙は乾燥機にかけるため10~15分で乾き持ち帰ることができる。