秩父商栄組合が2月13日、秩父神社(秩父市番場町)で恵比寿講祭の神事を行い、江戸時代から所有する古文書を展示した。
同組合は縁日や祭礼等への出店と、住みよい地域社会実現のための支援清掃、美化等の環境整備などに、後藤剛久組合長を含めて約25人で取り組む団体。最近は新型コロナ感染症の影響で出店できなくなり、「ちちぶ朝市」「ちちぶ屋台村」などの「市(いち)」を計画して行っている。
当日、秩父神社で神職により祝詞(のりと)奏上、玉串拝礼など、商売の神様でもある「恵比寿講祭」の神事が行われた。同時に年に一度、江戸時代の1735年から所有する、江戸町南町奉行大岡越前守忠相が命じた13種類の商い形態の権威付が全国的規模で行われた可能性を証明する古文書の写しと、「秩父の行商露天商の名簿」(秩父市有形文化財)を展示した。享保時代から1960(昭和35)年までの名簿には干支(えと)の印も押してあり、現在も所有している。古文書と名簿は同市立図書館で保管していているが一般へは公開していない。
後藤組合長によると、初めは秩父郡内の行商人などが対象で、組合加盟で商いができるようになっていて約200人が組合員となっていた。現在は秩父市のみで約25人が組合員とし登録している。地域の振興に寄与することを目的とし、祭事祭礼への出店と祭り関係機関の調整役として現在も先人の教えに従って活動している。「今後はこの組合と古文書などを、どのように後世に伝えて行くかが課題」と話す。