寄居町の風布・金尾地区の「風布みかん山」の「たちばな園」(寄居町風布、TEL 048-581-4977)を始めとした「寄居みかん狩り」が10月25日、開園した。
寄居町でのミカン栽培の歴史は古く、天正年間(1573~1592)に北条氏邦が領主の頃に小田原から「柚子ミカン」を移植したのが始まりとされている。その後、昭和初期までは養蚕が盛んになり、山の斜面の土地には桑畑が多かったが、およそ70年前からミカンへの転作が盛んになり、1952(昭和27)年には「風布みかん生産組合」が結成されるまでになった。
現在では同地区のおよそ6ヘクタールの栽培面積に12軒の農家がミカンを栽培し、季節になると「みかん狩り園」として開園。年間およそ5万人の観光客が訪れている。
「風布みかん山」がある寄居町の風布・金尾地区は四方を山々に囲まれ、低地より耕地のほうが暖かいという、盆地特有の気象現象を生かして栽培されており、栽培されるミカンは昔ながらの甘酸さが特徴だという。樹齢が100年以上経過している「福来(ふく)れみかん」は縁起ものとして、木に葉が付いた実と共に正月の飾り物などとして珍重されている。
同地区のミカン狩り農家の一つ「たちばな園」の24アールの農園では、日当たり良い山の斜面に1メートル~2メートルのミカンの木に黄色いミカンがたわわに実っており、観光客がミカン狩りを楽しんでいる。農園主の坂本勝己さんは「今年も例年並みの作柄で、おいしいミカンが実っているので、ぜひ足を運んでミカン狩りや里山の雰囲気を楽しんでほしい」と来園を呼び掛ける。
開園時間は9時~15時。入園料は600円で、食べ放題、1キロ用のビニール袋いっぱいまで持ち帰ることができる。開園期間は12月中旬まで。