ちゃんこ料理店の「やぐら太鼓」(秩父市山田、TEL 0494-22-9770)のメニュー「トマトラーメン」が7周年を迎えた。
秩父のちゃんこ料亭「やぐら太鼓」のメニュー「トマトラーメン」
トマトラーメンを提供する「やぐら太鼓」は大相撲の元小結、玉輝山が引退して親方(北陣)になり、片男波部屋で子弟の育成指導に当たっていたが、妻の萩尾和子さんが秩父市出身だったことが縁で約35年前に秩父市内に構えたちゃんこ料理店。
秩父で唯一、元力士が作るちゃんこ料理が味わえる店でトマトラーメンが生まれた背景は、9年前、女将の和子さんが乳がんを患い、以来、何か体に良いメニューを作ろうとしたのが始まり。さまざまな食材を試してメニューを考案する中、豆乳に着目した和子さんは、これをラーメンにして提供できないかと考えた。そこから試行錯誤の繰り返し、3年を費やしたという。
スープの開発では豆乳に合わせる食材をいろいろ試す中、豆乳に熱を加えラーメンのスープに仕立てるだけでも難しいことがあったという。「途中、何とかラーメンのスープとしてのひな形を開発できたと思ったが何か一つ物足りない。相撲に例えると、押し相撲で寄り切りすんでのとこまで相手を追い詰めたのだが、徳俵に踏みとどまる相手力士を、もう一押し押し寄り切れない感じだった」と振り返る。
そこで和子さんはスープ完成へのヒントを求めて、都内のラーメン店などを食べ歩いた。そこで味わった「焦がしニンニク」にヒントを得て、オリジナルで開発したのが、「トマトラーメン」にトッピングされている「魔香ジャン」だった。この「魔香ジャン」はラーメンの麺とトッピングされている白髪ネギの間に埋め込んでいる。最初にこれを「掘り出し」、セットになっているご飯と食べるのがおすすめだという。
トマトラーメンの名の通り、トマトのさいの目切りがスープ内にちりばめているが、このトマトに行きついたのも試行錯誤の結果だったという。
店では他にも定番の人気メニューでテークアウトもできる「秩父しゃくしな鳥わっぱめし」(850円)も販売。店内で1日に60パックほど作る、ビニールパックした「持ち帰り用トマトラーメン」(450円)は、横瀬町の農産物直売所などでも販売することもあるが、店に並べた直後に完売してしまうという。
店内にはカウンター4席、テーブル8席、座敷30席を用意。ラーメンなど簡単な料理を準備する客席から見える厨房と、その奥に、さまざまな料理を作る厨房の2カ所を設け、利用客に厨房内での作業音が聞こえないよう配慮している。
営業時間は11時30分~14時、17時~21時。木曜定休。