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皆野町で「みんなのしあわせ図鑑」創刊 住民の「幸せのタネ」を記録

皆野町の地域おこし協力隊・宇佐川さん

皆野町の地域おこし協力隊・宇佐川さん

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 皆野町の地域おこし協力隊・宇佐川拓郎さんが10月26日、町民の経歴や「しあわせ」を取材してまとめた冊子「みんなの(皆野)しあわせ図鑑」を発行する。19日の「駒形区ふれあい祭り」でプレ披露を行い、最終調整を経て26日の「みんなの皆野ふれあいまつり」で完成版をお披露目する予定。

未経験ながら、「CANVA」を使って制作。構成やレイアウト、フォント選びも試行錯誤を重ねた。

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 同冊子は町民の「しあわせの体験」を取材し、地域の中でのつながりや生き方を記録したフリーペーパー。A4判・全28ページで、取材・執筆・編集・デザインを宇佐川さんが協力隊や役場職員の協力を得ながら手がけた。デザインツール「CANVA(キャンバ)」を使って制作し、構成やレイアウト、フォント選びも試行錯誤を重ねたという。

 創刊号には、フォークダンスを通じて地域で活躍する萩原玲一さんと、琴の演奏を続ける小林留美子さんの2人を取り上げた。宇佐川さんは「その人の持つ幸せのタネが、町のどこかで芽吹いていくような様子を残したい」と話す。

 宇佐川さんは東京都内で小学校教員として勤務した後、子どもだけでなく大人も含めた教育や人の成長に関心を持ったことからデンマークへ留学。現地で成人教育や学びに対する姿勢に触れたことが、現在の活動の原点になったという。帰国後、小鹿野町の地域おこし協力隊に着任し、「おがの発・大人の学校」の立ち上げに携わった。活動は現在も「みんなの学校」として地域に引き継がれている。

 皆野町の協力隊に着任後は、地域包括支援センターと連携して「昔取った杵柄(きねづか)さん」事業にも関わりながら、人や地域資源をつなぐ活動を展開してきた。企画財政課の「ウェルビーイング担当」のミーティングの中で、協力隊のメンバーや役場職員と共に話し合いを重ね、人それぞれに幸せを感じる瞬間や出来事がきっとあるという考えが芽生え、「しあわせ図鑑」の構想が生まれたという。

 取材は4カ月前に始めて初回は役場職員も同行し、1人につき3時間前後の対話を3~4回にわたって行った。お茶を飲みながらじっくり話を聞き、人生を振り返ってもらう形式を取った。「時間をかけて話を聞くことで、対象者が自分の人生を整理して語る時間にもなっていたと思う。ただ話を聞くのが楽しくて、初めてだったこともあり読み手を意識してまとめるのが大変だった」と振り返る。

 今後は町内の施設やイベント会場などで無料配布し、3カ月に1号のペースで発行を目指す。将来的には、宇佐川さんが協力隊を卒業した後も継続できるよう、取材や編集に関わる人を増やす仕組みづくりも検討している。「自分がやりたいという気持ちで始めたが、継続を見据えて、編集者にも、読み手にも優しい仕組みを意識しながら、誰かの幸せが次の誰かにつながっていく循環をつくりたい」と宇佐川さんは話す。

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