
埼玉県立秩父高校(秩父市上町)が7月26日、来年度の入学生向けに開催する学校説明会を秩父宮市民会館(秩父市熊木町)で行い、普通科と新設予定の「国際教養科」についての教育理念やカリキュラムの概要、学校生活などを紹介する。
2026年4月に皆野高校との統合を機に設置する同科。語学力の育成にとどまらず、総合的な知識を土台として様々な視点から考える力と発信する力の育成を目指す。英語力を伸ばす工夫として、授業ではケンブリッジ大学出版の英語教材やオンラインレッスンを取り入れる。1クラス40人を2つに分け、日本人教員とALT(Assistant Language Teacher=外国語指導助手)の2人体制で少人数指導を行うことでリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングをバランスよく学べるようにするという。
授業でインプットした知識をアウトプットする場として、学科独自の行事も行う。1年次には、体験型英語学習施設「TGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)」(東京都江東区)での語学研修やプレゼンテーション合宿を実施。2年次には、国際系大学の見学やディベート合宿なども予定している。
同科新設に向け主担当を務めるのは、同校で8年目となる英語科の大林幸平教諭。構想は約3年前に始まり、これまでの語学教育の成果と課題を見直しながら、リフォームする形で新学科の設計を進めてきたという。「『国際』という言葉が大きく見えて敬遠したり、自分は無関係だと思ったりする人もいるかもしれない。語学は伝えるための手段で『何を伝えるか』を考えるために、教養をしっかりと身に付けることが大切。国際的な視点と教養的な学びをバランスよく取り入れたカリキュラムを組んでいる」と大林教諭は話す。
「秩父高校は、英語教育に関して新しい取り組みを柔軟に受け入れてきた土壌がある。これまでも、オーストラリアへの短期語学研修を毎年行っており、2年に一度は現地の生徒を当校に受け入れ、授業を通じた交流も行っている。こうした実践の積み重ねの中から、今回の学科設置が生まれた。学年200人に同レベルのカリキュラムを行うのは難しいが、40人という単位であれば実現可能」とも。
開催時間は9時45分~11時35分。事前申し込み制で、同校サイトで受け付ける。8月4日には体験授業も予定しており、現在、申し込みを受け付けている。