
横瀬町の畳店「富田製畳所」(横瀬町横瀬)が長瀞郵便局のはす向かいに「長瀞営業所」(長瀞町本野上)を開設して、4月5日で1カ月がたつ。営業所は地域住民に畳店の存在を知ってもらい、気軽に相談できる場を目的に開いた。
専用のミシンを使い、手作業で畳面を土台に縫い付ける(横瀬町での作業)
1917(大正6)年に創業し、富田宣保(のぶやす)さんが4代目となる同店。横瀬町や秩父市、皆野町などを中心に施工を行ってきた。長瀞町は寄居などにも近いため経済圏の違いを感じる中で、富田さんは「もしかすると長瀞町に拠点を持つことで、地域の人により近く感じてもらえるのでは」と考え、1年半ほど前から物件を探していたという。
元は鉄工所と住居として使っていた建物で、3年ほど空き家となっていた。地元の知人らの協力もあり、縁あって借りることになった。「スーパーやドラッグストアやホームセンターも近くにあって便利な場所。内見した時に雰囲気の良さを感じた」と富田さんは振り返る。
畳の製作は横瀬町の本店で行い、長瀞営業所は相談や下見などの拠点として活用する予定。拠点があることで、相談のハードルが下がることを期待しているという。富田さんは同所に常駐せず、相談の際は事前に電話での連絡を呼びかける。
同店によくある問い合わせとして、「畳の素材や作業内容のことよりも、作業時の家具の移動についてよく聞かれる」と富田さんは明かす。間取りや荷物の量にもよるが、特別な器具を使うことで家具は部屋から出さずに対応が可能だという。「畳の表面を構成する『畳表』は、い草表・和紙製表・樹脂製表など素材の種類も多く、縁(へり)の色やデザインも含めて仕上がりの違いや経年変化、価格についても相談に応じる」とも。
「まずは『富田の畳屋さん』として覚えてもらうことから。知らない店に家の仕事を任せるのは緊張すると思う。畳のことはもちろん、和室全般についてなど気になることがあれば、お茶でも飲みながら気楽に話してもらえたら」と呼びかける。「4代目として受け継いできた畳店の仕事を無理なく続けて、将来的には長瀞営業所にも機械を入れても作業ができるようにしたい」と意気込む。