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秩父の中華料理店「喜楽」が1周年 店主「お客さまの声が励みに」

「四川麻婆豆腐」(980円) 甜麺醤や豆板醤、香油など自家製調味料で作っている

「四川麻婆豆腐」(980円) 甜麺醤や豆板醤、香油など自家製調味料で作っている

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 秩父駅から徒歩約2分の場所にある中華料理店「喜楽」(秩父市番場町)が3月3日で1周年を迎えた。

「喜楽」外観 秩父駅近く、線路沿いのベーシックプラザ1階

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 秩父出身の小倉さんがアルバイトスタッフらと共に切り盛りしている同店。小倉さんは小鹿野高校卒業後に上京し、調理師学校で和洋中や製菓の基礎を学んだ。その後、ホテルの中華部門に就職し、四川料理を12年ほど修業した。小倉さんは「そこで出会った料理長は、技術力だけでなく人間性にも優れた人だった。工程のチェックや料理人への指導、料理に対する情熱など多くを学んだ。料理長の影響が大きい」と振り返る。

 料理長の退任に伴って小倉さんも店を移り、千葉県内の中華料理店で料理長を3~4年ほど務め、その後はホテルや空港の飲食店などでも経験を積んだ。秩父での開業を長らく考えていたが、コロナ禍で物件探しが中断。約38年ぶりに秩父に戻り、昨年ようやく同店を開いた。

 同店では四川料理を中心に、オリジナル料理も提供している。小倉さんが以前勤めていた職場の先輩の妻が台湾人だったことから、台湾の調味料を使った料理も作るという。料理の味を決める調味料は全て自家製。ラー油、トウバンジャン、テンメンジャン、香味オイルなどを独自に仕込み、約2~3カ月の熟成期間がかかるものもある。秩父では入手しづらい材料も多く、休みの度に都内へ足を運び、少量ずつ買い付けながら試作を重ねている。

 「以前勤めていた店では、調味料や食材の準備は20人近くのスタッフで一気に仕込んでいた。開業準備の際、一人で調味料の仕込みを行って心が折れそうになることもあった。メニューを絞り込んで開業し、営業しながら少しずつメニューを増やし、現在のメニュー数になるまでには半年ほどかかった」と小倉さんは振り返る。

 メニューには、10種類の生薬を使った薬膳スープに柔らかく煮込んだ牛肉が入った「麻辣(マーラー)火鍋」「台湾火鍋」(以上1,480円)、「四川麻婆(マーボー)豆腐」(980円)、「鉄鍋焼き餃子(ギョーザ)」(580円)、「担々麺」(1,280円)など。デザートには、オリジナルの「塩杏仁(あんにん)豆腐」(480円)などを用意する。「塩杏仁豆腐は夏の暑い日にソルティーライチから着想を得た。甘じょっぱい味付けでさっぱりしている」と小倉さんは紹介する。

 小倉さんは「もっと早く開業していれば良かった。以前は間接的だったお客さまの声が、今は直接聞ける。お客さまの言葉が励みになり、料理を続けていて良かったと実感する。元同僚からも『前より目が輝いている』『生き生きしている』と言われる」と話す。「料理を長く続けていきたいが、5年後の自分は想像できても、10年後は分からない。まずは目の前のお客さまに喜んでいただけるように努めたい」とも。

 営業時間は、ランチ=11時30分~14時、ディナー=17時~21時30分。火曜定休。 

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