「ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父」(秩父市上野町)で1月24日~30日の1週間、映画「まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~」が上映される。埼玉県では初上映となり、初日の上映後には、俳優の東ちづるさんとアシスタントプロデューサーの水戸川真由美さんとのアフタートークとサイン会を予定する。
ダウン症や車いすのユーザー、LGBTQ当事者など、さまざまな背景があるキャストが出演する
一般社団法人「Get in touch」代表理事も務める東さんが企画・構成・キャスティング・出演・プロデューサーを務める同作品。東さんは30年以上にわたり障害者アートやボランティア活動に取り組んでおり、2012(平成24)年に同法人を設立。「まぜこぜの社会を目指す」を理念に、多様性や共生社会をテーマとした創作活動を行い、同作品にもその思いをちりばめているという。上映時はバリアフリー字幕や音声ガイドが付き、視覚・聴覚障害者が楽しめる工夫も施す。
同作品には、発達障害、ダウン症や義足や車いすのユーザー、視覚障害のある人、LGBTQ当事者など、さまざまな背景があるキャストが出演している。東さんが座長を務める「まぜこぜ一座」が2023年に上演した舞台「歌雪姫と七人のこびとーず」の終演後に起きた事件、という設定。関係者らが打ち上げ会場に集う中、東さんの楽屋から悲鳴が響く。座員たちが駆けつけると、そこには息絶えた東さんの姿が…。
2024年10月の公開は東京からのスタート上映。公開後に作品を見たユナイテッド・シネマの担当者が作品にほれ込み、昨年11月から全国巡回上映につながったという。現在は全国各地のユナイテッド系の映画館で約1週間ごとに順次上映している。水戸川さんは「地域で知られる頃には最終日を迎えてしまうこともあるが、東さんや齊藤雄基監督、脚本のエスムラルダさんたちとアフタートークを行いながら徐々に作品を広めている」と話す。
水戸川さん自身はダウン症のある息子、脳性まひの娘、視覚障害と難病を持つ義妹を持ち、自身の家族について、「カラフルまぜこぜファミリー」と表現する。水戸川さんは「登場する演者たちを見て、『こんなことしかできないのか』と思うのと、『こんなことができるのか』と思うのは人それぞれ。この作品を通じて新たな視点を得られる部分があるはず」と話す。「さまざまな背景のある人が、こうやって外に出て活動しているんだなと知るきっかけになれば、この作品は真面目な教育番組ではなく、エンタメだからこそ伝わる、感じるものがあるはず」とも。
エンディングでは、山寺宏一さんや日高のり子さんをはじめとする「レジェンド声優」11人が歌うメッセージソング「Get in touch!」が流れる。この楽曲は、同法人の理事を務める三ツ矢雄二さんの呼びかけにより、事務所を超えて声優たちが賛同し実現した。「映画をエンドロール最後まで見てほしいので、このような企画でエンディング曲にも取り組んだ。映画を見た後にこの曲を聴くことで、感じるものがあるのでは。東さんも映画を見て、『モヤモヤを感じてほしい』と話している。自分の会社や学校、家の周りに住んでいる人なども思い浮かべ、映画をきっかけに考えてもらえたら」と呼びかける。
初日の上映は18時~で、上映時間は約90分。チケット料金は一律1,500円で、パンフレットが付く。チケットは劇場窓口とウェブサイトで扱う。