JAちちぶいちご部会(秩父市太田)が1月10日、太田観光農園(太田)で同会開園式を行った。秩父のイチゴが本格シーズンを迎え、秩父市、横瀬町、長瀞町、小鹿野町の32農園が今月から順次、観光農園や直売所をオープンしている。
秩父地域では良食味のイチゴ栽培に取り組んだ結果、「全国いちご選手権」などの品評会で上位入賞が続いている。太田観光農園の富田典孝さんは「秩父のイチゴの味の濃さや甘さへの評価が高い。イチゴは寒くなると糖度が上がる。秩父の冬はマイナス10度近くまで気温が下がることもあり、寒暖差が秩父のイチゴ栽培の大きな強み」と話す。
埼玉県のオリジナル品種「あまりん」「かおりん」が人気だが、今年は2023年に誕生したばかりの県の新品種「べにたま」の栽培がスタート。「べにたま」は県内の一部地域でしか栽培していないため、スーパーなどでの販売がほとんどない希少品種。糖度が高く、爽やかな酸味が特長だという。小鹿野町でイチゴの直売農園を営んでいる「いちご畑ハルノヒ」の新井治美さんは「『味がおいしいから、べにたまが欲しい』と来店するお客さまがいるほど、既に人気のある品種」と話す。
秩父地域では今年から「あまりん」「かおりん」「べにたま」の栽培量を増やし、観光客の集客に力を入れる。JAちちぶ代表理事専務の 丸山晴司さんは「昨年末時点で3品種の栽培面積は、イチゴの総栽培面積740アールの約34%(約2.5アール)。今後も増加していく見込み」と意気込む。さらに「ほとんどの農園が、県から『エコファーマー(環境に優しい農業を実践する農家)』に認定されていて、安心安全なイチゴを生産している。三大氷柱巡りや温泉とともに観光農園や直売所にも足を運んで、秩父のイチゴを味わってほしい」と呼びかける。
開園期間は各農園で異なるが、概ね6月中旬まで。主な栽培品種は、あまりん、かおりん、べにたま、やよいひめ、とちおとめ、紅ほっぺ、章姫、かおり野など。