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小鹿野で初の「サーカス歌舞伎」 600席が満席に、海外公演目指す

「サーカス歌舞伎~尾ノ内沢の龍~」フィナーレ 出演者に惜しみない拍手が送られた

「サーカス歌舞伎~尾ノ内沢の龍~」フィナーレ 出演者に惜しみない拍手が送られた

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 小鹿野文化センターで12月15日、地歌舞伎と現代サーカスを融合した舞台「サーカス歌舞伎~尾ノ内沢の龍~」が上演された。尾ノ内渓谷の龍伝説を元にしたオリジナルの物語で、原作・脚本・演出を手がけ主演を務めるのは、小鹿野高校卒業生のパフォーマー村岡友憲さん。

地元のダンススタジオ「スタジオフィッツ」からは8人が出演した

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 用意していた約600席の前売り券は完売し、キャンセル待ちが出る盛況ぶりだった。劇場では、駐車場の誘導やロビーでの案内などをボランティアスタッフが担い、舞台を支えた。

 開演前のロビーでは、舞台が始まる直前までステージで使う「龍頭」を展示し、材料となった山鳥の羽やスゲの葉とともに展示した。観客はその精巧な作りや素材について、制作者の高橋章さんに質問し、興味深く見入っていた。

 小鹿野町の森真太郎町長は「恐らく、サーカスと歌舞伎が融合した世界初の舞台。日本各地から素晴らしいパフォーマーが出演する夢の舞台」と話し、開演を祝った。幕が上がると、村岡さんがステージに登場し、観客から「待ってました」「たっぷり」などの掛け声が飛び交った。

 公演は約60分にわたり、物語に沿ってさまざまなパフォーマンスを展開。果物に見立てたボールを取り合う演技からジャグリングが始まり、最大7個のボールを軽やかに操る技を披露。舞台上空から下りてきた装置をその場で組み立て、エアリアルストラップの演技も行われた。

 ハンドバランスやマーシャルアーツ、アクロバット、ライブペインティングなどの演目の他、太鼓奏者の高野智之さんと、小鹿野歌舞伎保存会の猪野正樹さんのツケ打ち(歌舞伎独特の効果音)の掛け合いも観客を楽しませた。

 観劇した秩父市在住の仲村篤史さんは「素晴らしいパフォーマンスだった。このような舞台が小鹿野や秩父で見られることは、なかなかない。今後もまた、このような機会があれば」と話す。

 終演後には出演者たちが観客と写真撮影やサインに応じ、交流の場も設けた。村岡さんは「小鹿野町の皆さんの温かさを深く感じた。小鹿野町で生まれたサーカス歌舞伎で、海外のステージにも挑戦したい」と意気込みを話す。

 当日は映像撮影のために6台のカメラが入った。クラウドファンディングのリターンとして公演映像をオンラインで視聴できる形で提供する他、DVDは受注販売も行うという。クラウドファンディングは12月31日まで。

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