「埼玉いちご大学」のワークショップが12月7日、横瀬町の「Area898」(横瀬町横瀬)で行われた。参加者は飲食業、IT業、製造業、デザイン業、農業、学生など、高校生~60代の約45人が集まった。
埼玉イチゴを活用して商品開発などを行い、イチゴの産地としての知名度の向上や誘客につなげることで、中山間地域の活性化を目的とするプロジェクト。制作会社「スキーマ」(東京都渋谷区)と地域商社「ENgaWA」(横瀬町横瀬)が、埼玉県農林部農業ビジネス支援課の事業として取り組んでいる。
午前中はバスツアー形式で秩父フルーツファーム(秩父市下影森)を訪れ、同園の新井将之さんからイチゴの栽培方法や土作りについての話を聞いた。参加者はイチゴ狩りを体験しながら観光農園の現状などの質問を重ねた。
午後のワークショップでは参加者が6チームに分かれ、それぞれの視点から意見を出し合った。各チームにはイチゴ農家が加わり、農家の視点からのアドバイスや課題感を共有。モデレーターを務めた佐々木哲也さんの進行の下、参加者たちは異業種間の意見交換を通じて新しいアイデアを模索した。
発表では、チームごとに実際のイベントを想定しながらアイデアを共有。参加者は客役と店員役に分かれ、それぞれの役を演じながら発表を行った。発表後には他チームからのフィードバックを受け、アイデアを実現するために必要な協力者やリソースについてさらに話し合いを重ねた。最後には参加者全員がアンケート形式のリポートを提出し、自分たちが今後どのように関わるかも表明した。
参加していたイチゴ農家・ただかね農園(秩父市下吉田)の高野宏昭社長は「全く違う業界の人が参加したことで、さまざまな発想が出ていた。自分もいろいろなことに取り組んでいきたいので、発信しようとする人が多くてとても勉強になった」、東京在住の20代女性は「いろいろなアイデアが出てきたが対立することなく、うまく意見をまとめることができた。イチゴは品種ごとに味が違うのはもちろんだが、同じ品種でも栽培している農家によっても味が異なることを共有できてうれしかった」と話す。
主催した「スキーマ」取締役の橋本健太郎さんは「大学のゼミのように活発な意見交換が行われ、期待以上の成果が得られた。3月のイベントに向けて、ENgaWAのメンバーと共に次のステップを進めていきたい」と話す。