秩父出身の写真家・清水武甲の写真展が現在、「ギャラリー武甲庵」（秩父市熊木町）で行われている。同展は半年間、3期に分けて行う。

武甲庵外観

　清水武甲は1913（大正2）年、秩父市出身。秩父地方を中心に活動した写真家で、生前は写真館を営みながら1960～1970年代に秩父の伝統芸能、民衆信仰、生活様式、風土などをテーマに数々の写真集を刊行。1937（昭和12）年には全日本写真連盟関東本部写真展文部大臣賞、1966（昭和41）年には国際ビエンナーレ特賞（世界山岳写真展）など数多くの賞を受賞した。

　今年の夏に開催した「清水武甲出版記念展」が好評だったことから開催が決まったという同展。前回は清水武甲の代表的な白黒写真を選んで展示した。来場者から「カラー写真の作品も見たい」というリクエストがあったことから、数ある清水武甲の作品の中から季節に合った写真を選び展示する。

　第1期は10月12日～11月17日で、テーマは「秩父秋冬」。第2期は11月23日～来年1月23日で、テーマは「秩父の祭り」。第3期は来年2月1日～4月6日で、テーマは「秩父春夏」。

　長男の清水武司さんは「前回の展示では秩父の人だけではなく、県外からも多くの人に来場いただいた。親父の作品はカラーの作品もたくさんあり、四季を通して秩父の風景を写してきたので、今回は3期に分けて展示することにした。『逆光線の清水』と評された親父の写真は光の当たり方が絶妙で、影の部分と明るい部分のコントラストが見事。それはカラーフィルムで撮られた写真でも同じ。今回は長期間の展示にしたので、より多くの人に見てほしい」と話す。

　開館時間は11時～17時。火曜休館。入館無料。会期中は1階のカフェも利用できる。