横瀬町で「五感拡張型クリエーティブ制作室『TATELab.(たてラボ)』」を運営する「スキーマ」(東京都渋谷区)が開発した「BBKK木馬(ブーバキキもくば)」が、埼玉県物産観光協会が主催する「埼玉県新商品AWARD2025」の工芸・雑貨カテゴリーで大賞を受賞した。授賞式は2月17日、さいたま市の大宮ソニックシティホールで行われた。エントリー総数42点の中から選ばれた。
商品の企画・開発は、秩父市出身・在住の同社取締役、橋本健太郎さん率いるチームが手がけた。名称の由来となった「ブーバ・キキ効果」は、丸い曲線とギザギザの直線の2つの図形を被験者に見せた際に「丸みのある形を『ブーバ』」「ギザギザした形を『キキ』」と連想する傾向が、言語や文化を問わず世界的に共通して見られるという心理現象で、1929年に心理学者が提唱したという。
木馬はその名の通り、雲のような曲線を持つ「ブーバ」と、鋭角な「キキ」の2種類の商品。2種類の外見は異なるが、底面のカーブは同一の設計で、揺れ方は、理論上は同じ。形状から受ける印象によって「自身の身体感覚がどう変わるか」を問いかける仕かけになっている。交互に乗って比較したり、体験した人同士が感覚の違いについて語り合ったりするコミュニケーションも生まれるという。
製作は「たてラボ」の加藤健太さんが担当した。素材には秩父地域の木材を使用。デジタル木工加工機で合板10枚を精密に切り出し、重ね合わせることでデザインのインパクトを出している。昨年1月にプロトタイプを完成させ、ウッドコレクションのイベントでお披露目した。サウナイベントへの出店をきっかけに、函館の温浴施設への導入も実現している。
商品開発には、秩父地域の森林の活性化と循環型社会の構築を目的とした補助金制度を活用した。橋本さんは「アワードへの挑戦に際して、担当者から秩父の木を使い、森のためになる活動と背中を押してもらった。秩父として森の活性化に力を入れていることに、とても励まされた」と振り返る。
「今まで埼玉県新商品AWARDに商品企画で携わることがあったが、完全に自分たちのプロダクトで受賞できたので、素直にうれしい。乗りながら『ブーバっぽいって何だろうね』と語り合えるような、自分の五感に目を向けて、感覚を拡張することをテーマにしたものづくりを今後も続けていきたい」と橋本さんは話す。
商品は受注生産で、1台8万8,000円。「商品企画の意味合いからも、ブーバとキキの2台セットでの購入がお薦め」と橋本さんは話す。