秩父の宮地天満宮(秩父市上宮地町)で1月25日、初天神に合わせて「神むすび市」(こども祭り)が開催された。主催は宮地天満宮世話人会。
宮地天満宮では、毎年1月の第4日曜日に「初天神」を行っている
学問・芸術・武芸の神として知られる同宮では、かつて初天神の日に子どもたちが願い事を書いた紙を境内の梅の木に結ぶ風習があった。同会事務局の根岸秀行さんは「梅は天神様の象徴で、菅原道真公の分身とされている。願いを結ぶことで思いが神様に届き、やがて実を結ぶと信じられてきたが、時代の流れとともに途絶えていた」と話す。
当日は100人以上の子どもや大人が、書道で願いを書いた紙を境内にある梅の木へ結びつけた。併せて、子ども向けの体験コーナーも用意。切り絵、刀、人力車の乗車体験のほか、昭和の遊び体験としてめんこやこま回しを行ったほか、駄菓子店「フクノカミ」(中宮地町)が出店し、子どもバザーも開いた。「こども食堂ぱくぱく」の共催により、みそ汁と塩むすびも振る舞った。
同会事務局の根岸秀行さんは「当日は多くの親子連れに来場して喜んでもらい、大変うれしい。昭和初期まで伝わっていた風習が、約100年の時を経て復活した瞬間で、かつてこの地で暮らした人々の思いを、現代につなぐことができた」と振り返る。
「願いを書くことで、子どもたちに『願っていい、思っていい』という体験を届けたかった。地域の子どもたちが夢を抱き、未来への希望を育むきっかけになればうれしい。今後も子どもたちの笑顔とともに地域の伝統を次世代へつなげていきたい」と意欲を見せる。