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秩父のカレー店で能登の出張すし 休止中のすし店を交流と音楽で応援

(左から)清野市長、みぃちゃん、津世史さん、葵さん

(左から)清野市長、みぃちゃん、津世史さん、葵さん

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 秩父市寺尾のカレー店「ほんとのインド料理とカレーの店・ズベールおじさんのインドカレー」で1月10日、石川県能登町のすし店「津久司(つくし)」による出張すしイベントが行われた。

「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」のイベントで知り合ったことをきっかけに実現した

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 すしを握ったのは津久司の店主・坂津世史(つよし)さんで、長男の葵さんを伴って秩父を訪れた。2人は現在、全国各地を回りながら「出張すし」を行っている。当日は54人が集まり、津世史さんやカレー店店主の黒澤みどりさん(通称「みぃちゃん」)との交流、食事、音楽を楽しんだ。

 津久司は海沿いにあり、2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災した。地盤沈下の影響で店前道路が破損し、営業を再開できない状況にある。店での営業が難しいことから、坂さんは各地に出向いて能登の現状を知ってもらう機会をつくろうと、同年3月に「出張すし」を始めた。

 今回のイベントは、日本テレビ系の番組「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」のイベントで両店が知り合ったことをきっかけに実現した。その後、山梨で行われた出張すしイベントにみぃちゃんが足を運び、実際に体験した上で、自身の店でも同様の取り組みができないかと準備を進めた。

 当日、坂さんは能登から持参した魚を含むネタを使い、その場ですしを握った。能登産のカツオのほか、寒ブリやイカなど魚のネタは12種類。だし巻き卵やかんぴょう巻き、いなりずし、ミニ漬け丼も提供。参加者は好みのネタを指定してすしを受け取り、食べた量は8貫ほどの人から30貫以上を平らげた人までいた。

 2時間30分のイベントで津世史さんは約1000貫を握り、米は4升を使い切って5升目の途中まで使ったという。すしを目の前で握ってもらい、坂さんと会話を交わす姿も見られた。会場には清野和彦秩父市長も駆けつけ、参加者と共に食事を楽しんだ。

 食事の時間が終わると、今年で活動15周年を迎える秩父出身のシンガー・ソングライターの三上隼さんによるライブが行われた。みぃちゃんやダンサーズがステージに加わり、会場を盛り上げた。三上さんの楽曲「ワンツースリー」は、葵さんが好きな数字に合わせて「8-8-8」に替えて披露。参加者が振り付けをまねたり、合唱したりする場面も見られた。能登の復興にエールを送る形で「リスタート」を歌い、店のオリジナルソング「それいけ!みぃちゃん」の3曲を披露した。三上さんは当日のCD売り上げを能登の復興支援に充てるとし、来場者と交流を図った。

 坂さんは「各地を回り、すしを通じて能登のことを知ってもらえたらと思い、息子と一緒に活動している。震災が起きたことは変えられないが、どう前を向くかを考えている。多くの人の力に支えられ、ここまで来ることができた。今年4月に店の再開を目指して準備を進めている」と話す。

 みぃちゃんは「秩父のお客さまに喜んでもらえて良かった。津世史さんに愛情を込めてすしを握ってもらい、温かい時間になった。今回のような出会いを大切にしていけたら」と振り返る。

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