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「秩父ワイン」「兎田ワイナリー」が初のフランス輸出 埼玉県知事に報告

7月18日、埼玉県庁を訪れ大野元裕知事に報告を行った

7月18日、埼玉県庁を訪れ大野元裕知事に報告を行った

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 秩父地域のワイナリー「秩父ワイン」(小鹿野町両神薄)と「兎田ワイナリー」(秩父市下吉田)が醸造するワインがフランスへ輸出されることになり、7月18日、両社の社長が埼玉県庁を訪れ、大野元裕知事に報告を行った。表敬訪問には両社のほか、秩父市の清野和彦市長、小鹿野町の森真太郎町長、輸出を担う商社「トツプ・トレーディング」(大阪市浪速区)の担当者も同席した。

フランスへ輸出される「兎田ワイナリー」と「秩父ワイン」のワイン

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 今回フランスでの取り扱いを行うのは、現地で飲食店向けに日本食材を広く紹介しているインポーター「Nishikidori(ニシキドリ)」。Nishikidoriのオリビエ社長が、それぞれのワインの味や造りを高く評価し、取り扱いに至ったという。両社にとって、欧州への本格展開は今回が初めて。日本からの出荷は6月16日。温度管理ができるリーファーコンテナ船で出発した。8月にフランスへ到着する予定。

 秩父ワインは、2月に仏ブルゴーニュで開催された日本ワインの試飲会「サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」に出展し、評価を得たことが輸出決定のきっかけとなった。取り扱うのは、甲州種を使い、非加熱・無ろ過で瓶詰めした「甲州シュール・リー2023(白)」。同社では以前から国際的なワインコンクールへの出品や海外展開を視野に、日本国内で一般的な720ミリリットルのボトルから国際規格に合わせた750ミリリットルのボトルへの切り替えを進めていた。これまでに、セーシェル共和国やモーリシャスといったインド洋地域への輸出実績に加え、海外の日本大使館向けに販売した実績もある。

 一方、兎田ワイナリーは、昨年11月に東京国際フォーラムで開催された日本ソムリエ協会創立55周年の展示会に出展したことをきっかけに、トツプ・トレーディング社との接点が生まれた。今回輸出するのは、秩父の蒸留所から譲り受けたピーテッドウイスキーだるで熟成させた白と赤のワイン「秩父ブランピーテッドウィスキー樽(だる)熟成2021(白)」「秩父ルージュピーテッドウィスキー樽熟成2021(赤)」。ジャパニーズウィスキーが親しまれるフランスで、「ワインカスク熟成」のウィスキーも浸透している中、その逆である「ウィスキー樽熟成のワイン」に関心が寄せられたという。同社はこれまで、シンガポール、マカオ、ベトナムなどアジア諸国への出荷実績がある。

 秩父ワインの島田昇社長は「数年前から海外展開に向けた動きはあったが、人手が少なく、現地の展示会や商談に足を運ぶのは難しかった。当初はヨーロッパへ弊社のワインを販売するより、シンガポールや香港などワインを造っていないアジア圏への輸出が現実的ではないかと考えていたので、フランス本国で評価を得られたことは大きな励みになった。今回のような機会をチャンスと捉え、海外の賞にも挑戦していきたい」と意気込みを見せる。

   兎田ワイナリーの深田和彦社長は「大野知事はワインが好きだと聞いていて、気さくに声をかけていただき、励みになった。今回輸出するピーテッドウィスキー樽熟成のワインは、弊社の近くにあるウイスキー蒸留所から譲り受けたたるを使い、2017(平成29)年から製造している。ウィスキー樽熟成のワインはカリフォルニアやオーストラリアのメーカーが知られており、日本でこうした造りをしているところはあまり多くない。多くの人に味わってもらえたら」と話す。

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