
横瀬町の「オープンガーデンよこぜ」に参加する各庭が現在、見頃を迎えている。個人宅や施設の庭を一般公開するこの取り組みは2009(平成21)年に始まり、今年で16年目。今年は町内20カ所で、オープンガーデン部会員が手がけた庭を無料で見学できる。
神田恵子さんの庭「key-garden(キーガーデン)」はバラ60種以上、クレマチス40種以上のほか、さまざまな宿根草を密植した庭。手作りのモルタル造形壁には神田さんの名前と同じ「ロサ・ケイコズ・ドリーム」という品種のバイオレットピンクのバラが鮮やかに咲く。壁面にはフランス語で「Petit a petit, l'oiseau fait son nid.(鳥の巣は一日ではできない)」と記し、「庭も毎日コツコツと」という思いを込める。神田さんは部会初期からのメンバーで、仕事や介護の合間に庭の手入れを行ってきた。ガーデン仲間の先輩に教わったり、さまざまな庭を見学したりすることで学ぶことも多かったという。
神田さんは「バラとクレマチスの多くは鉢植えで管理し、年により配置を換えている。冬の間に花の組み合わせなどプランを立て、実際に自分の思い描いた景色ができると楽しい。思い通りにならなかった点は、翌年への反省として生かしていく。ガーデニングは『ing』とついているように、ずっと続いていくのが魅力。ガーデニング仲間は、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、アドバイスし合って、とても心強い存在。訪れて見てもらうことが励みになる。インスタグラムで発信し始めてからは、さらにつながりも増した。花を通した出会いがうれしい」話す。
横瀬町観光協会の金子るみさんは「オープンガーデンよこぜの会員の庭は、それぞれ庭主の工夫と愛情がたくさん詰まっており、まさに癒やし空間。横瀬駅前の花壇も部会員が手入れをして、町の玄関口として訪れる人を花のある美しい町として迎えている。花を通じて、庭主との交流も楽しんでほしい」と呼びかける。
開園期間は各庭によって異なり、例年5月中旬から6月上旬が見頃。各庭先には「OPEN」「CLOSED」の看板を掲げ、見学の可否が分かるようにしている。ガーデンマップは「横瀬駅前食堂」「同町役場」「芦ヶ久保駅」「道の駅果樹公園あしがくぼ」などで配布している。