
「第75回全国植樹祭」の開催を記念して、秩父地域の酒造メーカー6社が協力した限定ラベル商品の販売が4月12日、じばさん商店(秩父市宮側町)などで始まった。
企画には武甲酒造(秩父市宮側町)、矢尾本店(別所)、ベンチャーウイスキー(みどりが丘)兎田ワイナリー(下吉田)、秩父ワイン(小鹿野町両神薄)、ディアレットフィールド醸造所(藤倉)の6社が参加している。
全国植樹祭は、森林や緑への理解を深めることを目的に、1950(昭和25)年から毎年持ち回りで開催されている。県内での開催は1959(昭和34)年の寄居町以来2度目で、今年は秩父ミューズパークを主会場に5月25日に行われる予定。
若い世代を含め多くの人に植樹祭について知ってもらおうと、秩父市農林部全国植樹祭準備室が普及啓発事業の一環としてさまざまな関連企画を行っている。今回、限定ラベル商品の企画を取りまとめたのは「じばさん商店」支配人の亀井学さん。秩父地域おもてなし観光公社と共に各方面と調整し、横瀬町のデザイン会社「malme.design(マルメデザイン)」の吉田武志さんと商品展開を形にした。
各社からは日本酒、ウイスキー、ワイン、ミード(蜂蜜酒)など異なる種類の酒が集まり、限定ラベルには共通のビジュアルを用いている。ラベルは6本を横に並べると秩父ミューズパークの森を表現する構図で、紙の素材にも自然な風合いを持つものを採用した。それぞれのラベルには、蜂やリス、鹿、オオカミなどの秩父の山々に生きる動物や、ゆかりのある生き物が紛れ込んでおり、「一本ずつ手に取っても楽しめるデザインを心がけた」という。
デザインを手がけた吉田さんは「それぞれのボトルの形状がバラバラなので、ラベルサイズが異なっても成立するラベルの形状や、デザインを見つけるのに苦労した」と振り返る。全体の背景を1枚の森に仕立てながら、各社の要望にも応える形で情報を整理し、デザインとして成立させたという。「ラベルの中に生き物が隠れていて、ディアレットフィールドには蜂、兎田ワイナリーにはウサギなど、イチローズモルトのラベルに隠れているリスをすぐに見つけられたらすごいと思う」とも。
亀井さんは「植樹祭は若い世代にはあまり知られていないように思う。どうすれば関心を持ってもらえるかを吉田さんと話し合いながら、地元の酒造メーカーに声をかけた。販売方法もラベルの内容も、吉田さんと一緒に丁寧に検討した商品。6本そろって買えるのは、じばさん商店だけなので、ぜひ手に取って楽しんでほしい」と話す。
商品と価格は、ベンチャーウイスキー「Ichiros Malt&Grain for全国植樹祭」(1万8,700円)、矢尾本店「秩父錦 植樹祭限定 特別純米酒」(2,750円)、武甲酒造「武甲正宗 特別純米原酒 植樹祭」(2,500円)、兎田ワイナリー「秩父ブラン プレミアムキュベ ウイスキー樽(たる)熟成&ミズナラオークチップ浸漬」(4,950円)、秩父ワイン「植樹祭限定 源作印 秩父山ぶどう」(3,850円)、ディアレットフィールド「MEAD DFB ミード トロピカル 無濾過(ろか)のハチミツ酒」(1,430円)。
販売方法はメーカーによって異なる。イチローズモルトは抽選販売で、店頭受け取りのみ。応募はじばさん商店や道の駅ちちぶの店頭に掲出している2次元コードで今月25日まで、受け付ける。