
秩父鉄道(熊谷市)と皆野高校(皆野町大渕)の生徒が協力し、秩父鉄道の魅力を伝える「皆高発→秩鉄行 青春ポスタープロジェクト」で完成したポスターが3月上旬から、秩父鉄道の主要駅や電車内に掲出されている。
ポスターは、場所によっては約1年にわたり掲出。皆野駅と親鼻駅では、制作過程を紹介する特別展示も行っている。特別展示には制作過程の様子や「卒業おめでとう」の文字を飾っていた。
来年度、秩父高校との統合を控える同校が「学校の歴史に足跡を残したい」という思いからスタートした同プロジェクト。昨年9月から観光ビジネスの授業の一環として取り組み、生徒たちが企画・デザインから撮影まで手がけた。3月5日には同校で完成披露会が行われた。
秩父鉄道鉄道事業本部の梅澤明子さんは「プロジェクト名も授業中に決まった。生徒たちから 『青春』という言葉を入れたいという話があり、鉄道とのコラボ感を表現する形で決まった」と振り返る。「通常のポスター撮影はインパクトのあるビジュアルを求めがちだが、今回は『等身大の景色』に価値を見いだした。若者の視点で新たな魅力を発見できたのでは」とも。
ポスターのデザインやキャッチコピーは、生徒たちがアイデアを出し合いながら決定。「持田寫眞(しゃしん)事務所」が撮影方法などの講義を行い、制作に当たり数パターンの案を用意したが、撮影日の天候の影響で計画通りに進まないこともあったという。撮影した写真やフォントの配置にもこだわり、ポスターによっては手書きフォントを取り入れ、色を変えた2つのメッセージを取り入れるなど、さまざまな工夫を施した。
3年の生徒たちは「卒業前にこのような経験ができたことを誇りに思う。自分たちが作ったポスターを多くの人に見てもらい、秩父鉄道に乗ってもらえたら。自分たちの青春時代の写真を見てもらい、ポスターを見てくれた人たち、それぞれの青春時代と重ねてほしい」「自分は将来ホテル業で働くので、今回のデザインのプロジェクトは将来必要なものになってうれしかった」と、それぞれ話していた。