
秩父のカレー店「ほんとのインド料理とカレーの店・ズベールおじさんのインドカレー」(秩父市寺尾)が2月27日、立川で行われた「日経社歌コンテスト2025」の決勝大会で8位入賞と審査員特別賞「緑川賢司賞」を受賞した。同コンテストへ個人飲食店が出場するのは初めてで、店主のキャラクターやチームのパフォーマンスが注目を集めた。
「ほんとのインド料理とカレーの店・ズベールおじさんのインドカレー」会場には44人の応援団が駆けつけた
店主の黒澤みどりさん(愛称「みぃちゃん」)がコンテストに挑戦したのは、秩父出身のシンガー・ソングライター三上隼さんの提案がきっかけ。同店のテーマソング「それいけ! みぃちゃん」を三上さんが作詞・作曲し、三上さんの勧めで社歌コンテストへのエントリーを決めた。
同コンテストは2016(平成28)年に始まり、企業や団体が制作した公式・非公式の楽曲やテーマソングを対象とし、一般投票、ユーチューブチャンネルでの再生回数・高評価数、審査員の評価による総合ポイントで審査を行う。今年は全国から117社が参加し、12社が決勝に進出した。「それいけ! みぃちゃん」はユーチューブの再生回数で3位を記録した。
決勝当日、出場チームごとに90秒間のプレゼンテーションと社歌の動画を上映しながらパフォーマンスを行った。同店は三上さん、みぃちゃん、インド人シェフ、サポーターズのメンバーらが舞台に立ち、プレゼンとパフォーマンスを披露。会場には44人の応援団が駆けつけ、大企業に負けじと熱い声援を送った。みぃちゃんはステージ衣装を含め3回のお色直しを行い、華やかな装いとエネルギッシュな振る舞いで会場の視線を集めた。
決勝へ進出した12社の社歌はJOYSOUND(ジョイサウンド)でのカラオケ配信が決定している。みぃちゃんは「『それいけ! みぃちゃん』は一生懸命に考えた振り付けがあるので、解説付き動画をユーチューブで配信予定。より楽しんでもらえるように準備しているので、練習してからカラオケに行ってほしい」と呼びかける。「踊っているうちにモヤモヤが吹き飛ぶくらいの運動量があるので、悩んでいる人も一緒に踊ってもらえたら」とも。
みぃちゃんは「8位は末広がりで縁起がいいし、緑川さんから特別賞までいただいた。個人の飲食店としての挑戦だったけれど、大企業の方々にライバルとして見てもらえたことが本当にうれしかった。コンテストを通じてたくさんの出会いがあり、一緒に写真を撮ったり、連絡を取り合ったりする関係ができるなど、思いがけない交流が生まれた。三上くんが素晴らしい曲を作ってくれ、応援してくれた皆さんのおかげで、こんなにすてきな経験ができたことに感謝している。やらないで後悔するより、挑戦して本当に良かった」と振り返る。