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フットヘルスアワード最優秀賞に横瀬町「日本一歩きたくなる町プロジェクト」

担当の町田さん

担当の町田さん

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 横瀬町の「日本一歩きたくなる町プロジェクト」が2月27日、「フットヘルスアワード2025」の取組部門で最優秀賞を受賞した。当日、東京ビッグサイトで開催された「健康博覧会2025」の会場で表彰式が行われ、自治体として唯一の受賞となった。

受賞を喜ぶ、富田町長と町田さん

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 ウオーキングを軸とした健康づくりを目的に、2021年に始まった同プロジェクト。住民参加型の取り組みを重視し、一般公募でウオーキングルートを作成したり、「地球1周チャレンジマーチ」では子どもたちが看板制作に関わり、6カ月間で町民が地球7周分(=30万3558キロ)を歩く記録となった。その後も観光イベントや企業とのコラボレーションを行うなど事業を続け、ウオーキング教室や歩育プログラムの参加者データから健康意識や体力作りのデータをとって効果検証も行っている。

 昨年からは、スマートフォンゲーム「ポケモンGO」の公式ルートとして町内のコースを登録した。ゲームを通じて町の景観や観光資源を巡ることができる。同プロジェクトでは若い世代のウオーキングへの関心を高めることが課題の一つだが、積極的に歩く習慣がなかった層にも参加を促すきっかけになっている。同町健康子育て課の町田修一さんは「個人的にはもともと、歩くのはあまり好きではなかったが、プロジェクトに関わる中で『つい歩きたくなる仕組み』を考えるようになった。ポケモンGOをはじめ、プロジェクトを通じて歩く楽しさを見つけてくれる人が増えれば」と話す。

 同アワードは足や歩行に関する優れた商品や取り組みを表彰する制度で、昨年創設された。昨年はプロダクトのみが対象だったが、今年は「取り組み部門」を新設。当日は、マラソンの有森裕子さんやサッカーの福西崇史さんなど6人が審査員を務めた。

 当日は富田能成町長と町田さんが登壇。富田町長が町やプロジェクトの概要を説明し、町田さんが詳細をプレゼンテーションした。町田さんは「前日遅くまで準備して、プレゼン資料や原稿を作り込んで臨んだ。プレゼンの途中で投影している資料に文字化けトラブルが発生したことや、他の登壇者の様子を見て用意していた原稿は使わずに自分の言葉で話すことにした。プロジェクトに対する思いの丈を自分の言葉で伝えたことで、熱意が伝わるプレゼンになったと思う」と振り返る。

 町田さんはこれまで振興課、まち経営課、健康子育て課と、さまざまな部署を経て異動する先々の課題を通してプロジェクトに関わってきた。「役場では数年ごとに異動があるため、一人の担当者が事業を最後まで見届けることは難しい。自分本位でなく、町全体で『歩きたくなる町』を推進できる体制をより作っていけたら」と町田さんは話す。

 「このプロジェクトは自分一人の力でできるものではない。役場の職員だけでなく、町民や関係者と協力しながら、多くの人が歩きたくなるような取り組みを続けていけたら」と期待を込める。

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