
秩父札所23番・音楽寺(秩父市寺尾)で3月10日、ナガオカトレーディング(山形県東根市)が「レコード針供養」を行った。
3月9日(サンキュー)は『レコード針の日』とされ、レコード針への感謝を込めた日としている。同社はかつて行っていた『レコード針供養』を2020年に復活させ、以降、毎年3月9日に実施している。長年レコード愛好家に親しまれてきたレコード針に感謝の意を表し、折れた針や消耗した針を供養する。6回目となる今年は日曜日のため、翌10日に開催した。
当日は全国から同社に送られたレコード針やカートリッジを同寺に持参し、長年の使用に感謝しながら供養を行った。同社執行役員の西武司さんは「レコードの良さは、接触型再生であるという点。レコードの音溝をカートリッジの針先で直接トレースして音を出している。実際に振動させて音を出すので、再生する土地や場所によって、その場ならではの、空間になじんだ音になる」と話す。
長岡香江社長は「今年はナガオカトレーディング85周年の節目に当たる。当社のステレオカートリッジ『MP-200』は昨年、英国の『What Hi-Fi? Awards(ホワットハイファイアワード)』でベスト・カートリッジを受賞した。85周年記念モデルとして5月には『MP-700』の発売を予定している。音楽寺さんのご加護を仰ぎたい」と話す。
針供養の後、同社が寺に設置したプレーヤーで名盤レコードのほか、「秩父青年会議所の歌」も再生した。同曲は同寺総代の原島久さんが50年前に依頼を受けて作曲し、ソノシートで録音したもの。原島さんは「縁があり、20代の頃に作曲させていただいたもの。改めてここで再生でき、作曲した当時の曲に対する思いがよみがえった」と話す。