
皆野町にあるゴルフ場「ミッションヒルズカントリークラブ」(皆野町国神)の敷地内に3月1日、宿泊施設「kieto(キエト) 秩父」がオープンする。運営は同ゴルフ場を経営する「熱海ゴルフ」(静岡県熱海市)が行い、キッザニア東京やMUJI HOTEL GINZAなどを手がける「UDS」(東京都渋谷区)が企画・設計・販売サポートを担当する。
愛犬が動きやすいように、オープンな空間やペット専用グッズも用意
ゴルフ場の余剰地を活用し、新たに6棟のコテージを整備した同施設。宿泊客専用に2つのバレルサウナとプール(4月~10月営業)を設け、サウナはセルフロウリュも可能。
コテージは全棟テラス付きで、武甲山をはじめとした秩父の山々が見渡せる。「秩父の歴史や時の流れを感じる空間になじむようなもの」をイメージして、担当者が一点ずつ選んだビンテージ家具を設置。各コテージには寝室2部屋があり、2家族でも宿泊できる設計となっている。大人は最大5人まで、0~5歳は3人まで宿泊可能。
広さはそれぞれ53.42平方メートルで、2棟はペット同伴も可能。二重扉を完備したドッグランを併設。ペット専用グッズには足拭き用タオルやトイレシート・トレー、ふた付きごみ箱なども用意している。
オプションの食事には、秩父のみそやしょうゆなどの発酵文化を取り入れ、夕食には鍋やバーベキュー、朝食は和食を提供。メニューの開発は発酵研究家・料理家の真藤舞衣子さんが監修した。材料は全て冷蔵庫に準備されており、宿泊客自身が手を加えて仕上げるスタイル。食材はあらかじめ火を通したものを小分けにしておくなど、調理しやすい工夫を施す。
地域ならではの「おもてなし」として、秩父地域の味覚や卓上用品も用意。「ちちぶコーヒー」の5種類のブレンドは、季節ごとに変更して提供。燻製(くんせい)のアユ風味の「長瀞クラフトポテトチップス」やかんきつの香りを生かしたクラフトビール「長瀞エール」、キハダを使った「森のサイダー きはだのにがみ」も用意する。その他、秩父に移住した陶芸家・三好敦子さんの器や皆野町の木工作家「Uca(ウーカ)」のうだまさしさんのお盆などを採用し、同施設のために制作を依頼した。
環境に配慮した取り組みとして、プラスチックごみ削減のため、竹製歯ブラシや、チューブ式ではなくシート状の歯磨き粉を採用している。廃棄予定だった「秩父黄金かぼす」の皮をフリーズドライしたものを用意し、袋に入れて湯に浮かべることで入浴剤のように使う。飲料はペットボトルによる提供ではなく、持ち帰り可能なロゴ入りボトルとウォーターサーバーをキッチンに設置した。
kieto秩父の企画を担当した河上鈴華さんは、「まちとひとをつなぐ仕事がしたい」と思いから同社に入社。同施設開業に当たり、秩父のことを学ぶためにスタッフたちで秩父を満喫し、秩父の自然の豊かさや奥深い歴史や食文化を知り、アメニティやマップなどにその魅力を落とし込んだ。「秩父には多くの観光やアクティビティーがあり、旅の選択肢が豊富。ファミリーやグループ旅行、愛犬連れなど幅広い方に、旅の拠点として心地よく過ごしていただき、滞在の中で旅がより豊かになる気づきを感じていただきたい」と話す。
宿泊料金は2名1室利用時(2食付)1人1泊25,100円~