西武文理大学(狭山市)の研修施設「ちちぶ伝習館」が9月6日、皆野町の「Mahora稲穂山」(皆野町皆野)内に開館し、同日、開館式が行われた。
同館は同大で来年度より、4年間にわたって実施するアクティブラーニングの授業の拠点となる。想像力や主体性、判断力をつけるための体験型学習を行う予定で、地域との交流やインターンシップも行っていくという。「体験するだけでなく他者と共に協調し学び合いながら、未来を想像する力の総合的な習得」をMahora稲穂山を中心に学んでいく。
同大の岩瀬忠篤教授は「Mahora稲穂山の取り組んでいる活動が、当大が検討しているアクティブラーニングとの親和性が高いことから、拠点として使わせてもらえることになった。アクティブラーニングを展開する場として学生が訪れ、どのように皆野町をはじめとする秩父地域の方と交流を持っていくかが課題」と話す。
開館式には、昨年11月に同大と秩父地域の活性化に向けての連携協定を締結している「秩父地域振興センター」(秩父市東町)の所長と同大学長による開会のあいさつで始まった。特別講演として西武学園文理高校・中学校のマルケスペドロ校長が登壇した。
ペドロ校長は「デジタル・国際社会で活躍する人間を育てる教育とは」をテーマに講演を行い、「教育は座学だけでの勉強ではなく、体験の勉強も必要。生成型AIの活用を禁止するべきという声もあるが、大人が子どもたちにAIの使い方を教える必要があるのでは」と話す。「AIにはできない、AIを動かして企画運営する力。他人を理解し、思いやる力。感動を動かす力など、学生の想像力と主体性、判断力を体験型学習で何回も失敗しながら体で理解してもらうことが必要」とも。
Mahora稲穂山代表の長谷川信枝さんは「皆野町には大学がないので、若い人たちが町に関わりを持ってくれるきっかけづくりの手伝いができるのはうれしい。当園では、さまざまな人がワークショップやイベントを企画しているので、さまざまな人たちと関わりを持ってもらえれば」と期待を込める。