横瀬小学校(横瀬町横瀬)の6年生児童12人が8月1日、施設の視察や、町長や町議会議長や町教育委員会教育長らと「子ども懇談会」に臨んだ。
当日は西武鉄道「芦ヶ久保駅」駅前にある休憩所「Ashigakubo Station Base(あしがくぼ・ステーション・ベース=通称「アスタバ」)」を、同町まち経営課の田端将伸主幹が案内。アスタバは、以前はうどんやそばの売店として営業していたが、ここ20年ほどは空き家の状態になっていた。同町で施設を借り、昨年5月から登山者の更衣室として利用するほか、作業ができるスペースとして利用できるようWi-Fiや電源などの環境を整えて開放した。
その後、役場へ移動し役場各課の仕事内容を説明。どこで何を相談したら良いか分からない来庁者向けに「なんでも相談室」があることやオンラインでも相談できることなども紹介した。
「子ども懇談会」は2000(平成12)年に始まり、今年で25回目。富田能成町長は「コロナ禍でも中止せず、大切に続けてきた」と話す。今年は「横瀬町 ここがいいよ! こうしたら?~横瀬町をよくするために自分たちにできること~」をテーマに掲げ、横瀬町役場の議場で行った。
担任の黒澤与輝教諭は「今日参加しているのは2クラス約60人の中の代表児童。児童たちに『町長へ直接提案ができる貴重な機会だよ』と伝えたところ、夏休み中にもかかわらず、多くの児童が積極的に参加を希望した」と話す。
児童たちからは体育館のエアコン設置やプールの屋根設置、更衣室の改装などの学校の設備に関するものや、部活の新設や他学年との交流の提案、バスケットコートやテニスコート、町民プールや公園など健康につながる施設に関わるもの、店やアミューズメント施設など人が交流できる場所についてなどの提案があった。
各児童がパソコンでプレゼン資料を作成し、議場のモニターに投影して発表。「こうしてほしい」「これが欲しい」という要望だけでなく、児童のアイデアを採択することで起きるメリット、設備や施設がないことで起きているデメリット、必要な資金の調達方法、施設を造る場所の具体的な提案のほか、クラスアンケートの結果を用いるなど、児童ならではの工夫も見られた。「どうやって調べたのか」という問いに児童の一人は「ググった(グーグルで調べた)」と答えていた。
浅沼健一校長は「夏休みギリギリから準備をして、よくここまで表現した。パソコンを使って表現するのがうまい世代だが、直接話して人に伝えることも大切。いい機会をもらえた」と話す。
富田町長は「12人の考えがしっかり伝わり、6年の児童たちがたくましく立派に育っていると感じた。全部は難しいが、一つずつ丁寧に検討する。みんなの声を聞くと私たちも元気になる」と児童たちに話した。