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小鹿野町で「あじさい歌舞伎」 ヤマトタケル伝説にまつわる新作上演

ヤマトタケルが大見得を切るクライマックスシーン

ヤマトタケルが大見得を切るクライマックスシーン

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 小鹿野町の「あじさい公園」(小鹿野町下小鹿野)で7月7日、「あじさい歌舞伎」の公演が行われ、新作「日本武尊(やまとたける)の大蛇(おろち)退治」が上演された。

あじさい歌舞伎の演者たち

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 同歌舞伎は、「小鹿野あじさい祭り」のメインイベントとして行われた。祭りは5500株のアジサイが咲く同園内で行われ、公園整備に当たる住民団体「あじさい公園記念植樹会」が主催する。毎年7月の第1日曜に行っており、今年で19回目を迎えた。

 歌舞伎のステージとなったのは、同園内にある「下小鹿野紫陽花神社」の本殿。同神社の正式名称は「小鹿(おしか)神社」だが、2008(平成20)年に小鹿野警察の署員7人で上演した「おまわりさん歌舞伎」がテレビや新聞などのメディアに繰り返し取り上げられたことをきっかけに、同神社がアジサイの名所として知られ、「あじさい神社」と呼ばれるようになった。

 新作歌舞伎「日本武尊の大蛇退治」は、同会主催者で画家の小菅光夫さんによる完全オリジナル作品。同作について、小菅さんは「神社の本殿裏手にあるサル石とおかめのような土石が、神社から南東方向の小鹿塚(おしかづか)では直刀が発見されている。神社の参道の入り口には江戸時代後期、1859年に建てられた石碑があり、石碑には小鹿野の地でヤマトタケルが詠んだという歌が彫られている。尾の内渓谷の入り口には『龍頭(りゅうとう)神社』がある。これらの遺跡や歴史を元に作り上げた、古代へのロマンあふれる創作歌舞伎を『おがの夢歌舞伎』と名付け、見る人に刺激を与えたいと思った」と話す。

 同作では、同町在住の大道芸ユニット「墨鹿屋(すみろくや)」の村岡友憲さんと大西まさしさんが初参加。村岡さんと大西さんの殺陣や本殿の柱に飛び移るアクロバティックな演出に加え、地元の歌舞伎団体「歌舞伎サークルうぶ」のベテラン役者たちによるコミカルな演技など、飽きさせないストーリー展開で観客を魅了した。

 都内の大学で民俗学研究会に所属し、同町長若地区の芸能や信仰などについて調査している大学生は「せりふの中に役者たちのプライベートなエピソードなどが盛り込まれていて楽しかった」と話していた。

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