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「ローカルサミットin武蔵国・ちちぶ」 地域の活性化を考える

「ローカルサミットin武蔵国・ちちぶ」が開催された

「ローカルサミットin武蔵国・ちちぶ」が開催された

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 「ローカルサミットin武蔵国・ちちぶ」が5月31日~6月2日、秩父地域(秩父市・横瀬町・小鹿野町・皆野町・長瀞町)で開催され、約200人が参加した。

「ローカルサミットin武蔵国・ちちぶ」実行委員メンバー

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 ローカルサミットは2008(平成20)年に行われた「洞爺湖サミット」をきっかけに「日本の地方を活性化させるにはどうしたらいいのか」を有識者で協議することから始まった。「ローカルサミットin十勝」の開催後に日本各地で開催され、今回で8回目となる。

 秩父地域にローカルサミットを誘致した「世界商事」(秩父市本町)社長で実行委員長の大島隆芳さんは「ローカルサミットは参加者の半分が地元で、もう半分は外部のまちづくりに携わるメンバー。協議する内容は自然、文化、経済、医療、教育と多岐にわたって行う。街の活性化を行政ではなく市民の力でできることを考え、ローカルサミットの誘致が必要と感じた」と振り返る。

 初日はエクスカーションとして地域の課題や現状を知るためにテーマを設けて地域を視察。2日目は基調講演後にテーマごとに分科会を実施した。パネリストとして参加した秩父市商店連盟連合会の島田憲一会長は「自分は秩父が大好き。地域を盛り上げる際にいろいろな意見をもらうが、事例や前例は蹴飛ばして工夫しよう」と会場を盛り上げた。3日目には秩父地域をどのように活性化させるかをローカルサミット宣言として、大島さんが宣言文を発表し、秩父地域1市4町に提出した。

 大島さんは「作り上げた宣言文を元に各市町と協同して、小さくてもいいので新しい取り組みをスタートしていきたい。サミット自体が答えを教えてくれるわけではなくて、あくまでも問題の抽出がメインなので、解決に向けて答えをこれから探していくことになる。秩父のこれからの取り組みが日本のローカルに輝きを与えるきっかけになるはず」と期待を込める。

 基調講演を行った日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんは「秩父は荒川の源流で、下流に位置する東京の近くにありながらも、なびかずに独自の発展をとげている。より開かれた秩父、1000年先の秩父をイメージし、目標に向かって今やるべきことを考えて行動していってもらえれば」と話す。

 参加者の一人、秩父農工科学高校3年生の田代音偉さんは「今まで秩父に魅力を感じていなかったが、分科会などに参加してみて、いろいろな観光資源の発見があった。課題に対しての解決策の兆しが出る瞬間にも立ち合えて、人とやりとりすることの大切さを知ることができた。秩父はとても魅力のある街だという再発見ができた」と話す。

 大島さんは「立場、年齢、地方を超えた人とのつながりを持つことをためらわないでほしい。自分では解決できないことでも、誰かが方法を知っているかもしれない。自地域を愛する人たちとつながれた縁を大切にし、今回サミットで感じた熱量を、サミットに参加していない人たちにも広げていきたい」と話す。

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