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秩父に「蔵カフェ山七」 銘仙の蔵を利活用、地域の伝統と文化をアピール

秩父産のみそとしょうゆを使った「炙り味噌みたらし団子」

秩父産のみそとしょうゆを使った「炙り味噌みたらし団子」

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 秩父の土産・和菓子店「栗助本店」(秩父市黒谷)がリニューアルオープンし、「蔵カフェ山七」が同店内にオープンして5月20日で1カ月がたった。経営は和銅鉱泉旅館。

蔵カフェ山七と栗助本店外観

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 同所には以前「和銅鉱泉旅館 本館」があった。国道が舗装化されて旅館に近くなったことで、車などの騒音が気になり、新館を川沿いに建てたという。同所は観光に注力するために観光物産館として運営することとし、1995(平成7)年に解体して「栗助本店」として創業した。

 栗助の名の由来は、同店が栗を中心とした菓子を扱っていることと、先々代・町田甚之助さんの名前から。

 社長の町田啓介さんは「私が子どもの頃、秩父には栗の木が多くあり、とても身近な果樹だった。今では減ってしまったが当時はなじみ深いものだった。商品価値のある栗をメインにした菓子を軸に、約30年営業を続けてきた」と振り返る。「秩父を活性化させていくうえで、秩父地域に足りないものを考えており、当時は観光物産館のような店も少なかった」とも。

 今回新たにオープンした「蔵カフェ山七」は築100年以上の町田家所有の蔵をリノベーションしたもの。和銅鉱泉旅館は織物業が祖業で、当時は「町久織物」として流通しており、屋号が山七(やましち)だったことからカフェの名前を山七にした。

 町田社長は「開業時はバスツアーなどの団体客に対応した商品を多く販売していたが、コロナ禍以降は個人客が増え、土産の購入行動や食事の嗜好(しこう)にも大きな変化があるように感じる。蔵特有の歴史を感じられる雰囲気を作るとともに、秩父ならではの歴史や食文化を楽しめる空間を作っていく」と話す。

 同店で提供する「搾りたて栗助モンブラン」は秩父銘仙の絹糸をイメージしてモンブランの糸はできる限り細くしたという。「添えているあんをかけ、和洋折衷のモンブランが楽しめるように仕上げた」という。

 「炙(あぶ)り味噌(みそ)みたらし団子」は「新井武平商店」(皆野町皆野)のみそと「島田醤油(しょうゆ)」(横瀬町横瀬)の濃い口しょうゆをタレに使っている。「添えてあるバニラアイスに余ったみたらしをかけて楽しめる」と町田社長は話す。

 スタッフの町田亮さんは「オープン当初は特に地元の人たちが多く来店した。1カ月がたちスタッフも少しずつ慣れてきたので、おいしい料理や飲み物だけでなく、サービスの質や付加価値も高めていきたい。今はインスタグラムなどの広報にも力を入れているので、秩父地域に関心がある人たちに当店のことを知ってもらい、秩父に遊びに来てくれた際には足を運んでもらえれば」と呼びかける。

 営業時間は9時30分~17時。

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