秩父市出身の写真家・清水武甲の写真集出版を記念した写真展が6月12日から、「ギャラリー武甲庵」(秩父市熊木町)で開催される。清水武甲の代表作「秩父山塊」など、過去に発表した写真集の中から選んだ作品を展示予定。
清水武甲は1913(大正2)年、秩父市出身。秩父地方を中心に活動した写真家で、生前は写真館を営みながら1960~70年代、秩父の伝統芸能、民衆信仰生活様式、風土などをテーマに数々の作品集を刊行。1937(昭和12)年には全日本写真連盟関東本部写真展で文部大臣賞、1966(昭和41)年には国際ビエンナーレ特賞など数多くの賞を受賞した。
写真集「秩父 光と影」の刊行を記念して開く同展。数多くの作品に最新のデジタル処理を施し、印刷も現代の技術を用いて仕上げている。清水武甲の作品はカラー、白黒合わせて数十万点あるが、同写真集は白黒作品の中から構成し、約4年をかけて制作した。
長男の清水武司さんは「おやじが亡くなってもうすぐ30年。お世話になった方々へ届けたい思いがあって写真集を制作した。白黒フィルムで撮影された作品はどれも素晴らしく、昭和の秩父の自然や文化を今に伝えてくれている。そういったものを、写真展を通して皆さまに分かってほしい」と話す。写真集は1万5,000円で、会期中、会場で販売する。
開館時間は11時~17時。入館無料。火曜休館。写真展は2階のギャラリースペースで行われ、会期中は1階のカフェも利用できる。6月15日14時から、ギャラリートーク「清水武甲を語る」を予定する。参加無料、事前申し込み不要。7月11日まで。