これから本格シーズンを迎える秩父のオリジナルブドウ「ちちぶ山ルビー」の品評会が8月20日、JAちちぶ横瀬支店(秩父郡横瀬町横瀬)の会議室で開かれた。
品評会には、秩父市、横瀬町、長瀞町、皆野町で「ちちぶ山ルビー」を栽培する35軒のブドウ生産者から今年収穫されたブドウが持ち寄られ、糖度、外観、果肉、安全性の4項目について100点を満点として評価。順位を決めることで、生産者同士で品質向上意識を高めるのが目的で、今年は21軒の農家が出品した。
品評会では冒頭、秩父ぶどう組合連絡協議会、ちちぶ山ルビー部会の青木信之さんが「今年は天候に恵まれ、近年では稀な良い出来栄え」と話した。会場には持ち寄られた、1箱に3房のブドウが入った箱が並べられ、審査員たちは手に取って眺めたり、試食したりしながら点数を付けた。
1位の埼玉県知事賞には皆野町の「川ばた園」武内晃さんが受賞したほか、7位までの順位がこの日決まった。「ちちぶ山ルビー」は1993(平成5年)に栽培が始まり、2007(平成19)年には「ちちぶ山ルビー」の名称で販売が始まった。秩父地域のブドウ園だけで栽培されており、大変甘く、楕円(だえん)形で美しい鮮紅色の粒と、種も無く皮ごと食べられるのが特徴で、現在秩父地域で栽培されるブドウの主力の一角になっている。
審査員の埼玉県農業技術センターの大野晃義さんは「評価基準はあるが、それだけでは計り知れない農家の苦労をうかがい知ることができた。今後とも長く愛されるブドウ作りに取り組んでいただきたい」と話す。
「ちちぶ山ルビー」は栽培農家の直売所や秩父地域内の道の駅、農産物直売所で8月中旬から9月上旬まで販売される。