秩父出身の高校生・大学生が立ち上げた「こどものまちプロジェクト」が3月29日、小学生を対象に「秩父歴史探究~養蚕・産業編~」と題したイベントを開いた。こども・若者の主体性と協調性を育むことや地域のつながりを作るのが同プロジェクトの趣旨。同イベントは、秩父の歴史や産業の変遷と現状を知ることを目的にしている。
当日は秩父地域の小学生27人が参加。企画・運営メンバーとして集まった高校生・大学生23人に加え、登壇者含めサポートに入った大人7人も参加。雨が降っていたため参加者は繭と木材を使った工作をし、雨が上がってから養蚕農家を営む「影森養蚕所」と、木材を取り扱う「ウッディーコイケ」(以上、秩父市影森)の施設見学を行った。見学後にはチームに分かれて新聞を作り、発表を行った。
同プロジェクト代表の井上遼一郎さん(大学2年)は「この企画に学生が集まる一番の原動力は、秩父地域に魅力があること。秩父でしかできないことをテーマに設定し、熱意を持って取り組むことで自然と若者が集まってくる。秩父には良い点が多くあることに気付かずに、秩父出身者が地域を離れてしまう現状を断ち切りたいし、離れてしまった人達を呼び込みたい。学生にも秩父の現状や魅力を知ってもらうため、事前学習会も行っている」と話す。
同プロジェクトメンバーの深田駿さん(大学3年)は「参加者には学んだことをアウトプットできるように新聞作りをしてもらった。新聞作りは小学生だけでなく、高校生・大学生の若者にも秩父を研究してもらう良い機会」と話す。
参加した女子児童は「大学生のお兄さん、お姉さんと一緒で楽しいし、秩父を知る良いきっかけになった」と話す。
井上さんは「今回のイベントで、養蚕業や林業を知らなかったこどもたちが、学んだことを自分の言葉で新聞にまとめることができていた。こどもたちの成長や変化を感じた」と振り返る。