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豚めし弁当「ちちぶ弁」発売 秩父弁にかけて商品化、方言を身近に

秩父弁の包み紙に包まれたちちぶ弁 12月1日からテイクアウト開始

秩父弁の包み紙に包まれたちちぶ弁 12月1日からテイクアウト開始

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 秩父武甲山麓にある豚玉丼の店「たぬ金亭」(秩父市荒川上田野、TEL 0494-54-1811)が12月1日、秩父の豚めし弁当「ちちぶ弁」を発売する。11月に行われた「第10回全国丼グランプリ」の「豚丼部門」で10年連続金賞を受賞したことを記念して開発した。

豚玉丼は第10回全国丼グランプリの豚丼部門で10年連続金賞を受賞

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 同商品は秩父地域の方言「秩父弁」と「ちちぶの弁当」をだじゃれでひっかけた商品。店主の新井和夫さんが、「秩父弁」の「弁」と「弁当」の「弁」が同じ字だということから着想を得たという。

 同店の定番メニューは「豚玉丼」。白飯の上に、みそ味に煮た豚肉、温泉卵、揚げ玉、青ネギをのせている。今回発売するのは豚玉丼を少しアレンジした弁当で、白飯の上に刻みのりをのせ、みそ味の豚肉、揚げ玉、青ネギをのせている。新井さんは「温泉卵の代わりになる豚肉と相性の良い食材を追及し、最終的には白飯の上に刻みのりをたくさん敷き詰めることに至った」と話す。価格は900円。

 弁当の包み紙は4種類。いずれも約50の秩父弁をあしらっており、それぞれの秩父弁の翻訳も併記している。「秩父地域の魅力の一つに秩父弁があり、秩父弁を後世に残していきたいという思いで生まれた」と新井さんは話す。

 包み紙のデザインを担当した「malme.design(マルメデザイン)」の吉田武志さんは「関西から秩父に移住してきた私にとって、秩父弁はユニークな表現や元の意味が全く分からないものがたくさんあって面白いと感じていた。秩父の若い方はあまり秩父弁を使わない印象なので、地元の方にも『こんな秩父弁があったのか』と感じてもらえるようなものにしたかった」と話す。

 「包み紙には、手に取った人がちょっと使ってみたくなるような秩父弁を、なるべくたくさん載せられるレイアウトにした」とも。食事に関わる秩父弁「おごっつぉう=ごちそう」「おあがんな=召し上がれ」、日常会話で使える「ちょうきゅう=正確」「ごおぎ=すごいこと」などの秩父弁を掲載している。

 発案者である新井さんは秩父生まれだが、仕事柄、秩父弁をこれまではあまり使ってこなかったという。「ネーティブな秩父弁を使えるようになりたい」と包み紙を眺めて新井さん。「ちちぶ弁を多くの人の手に取ってもらい、食べても読んでも楽しんでもらい、いつまでも秩父弁を大切にしていくきっかけにしていきたい。さまざまな視点で秩父をもっと身近に感じてもらえれば」と期待を込める。

 営業時間は11時~16時。水曜・木曜定休。「ちちぶ弁」はテイクアウト販売のみ。電話予約も受け付ける。

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