「人工知能(AI)を活用してアート作品を制作し、ウェルビーイングの世界観を表現すること」を目指すイベントが11月12日、横瀬町町民会館(横瀬町横瀬)で開催される。
主催するのは横瀬町地域おこし協力隊の近藤保子さん。大学院時代に教育人類学を専攻し、西アフリカ・セネガル共和国の幼児教育について研究していた。都内の企業で国際協力の仕事に従事した後、3月に同協力隊のウェルビーイング担当として着任した。
ウェルビーイング(Well-being)とは、「身体的、精神的、社会的に良好な状態」にあることを意味する概念。「ハピネス(Hapiness))」が短期的・一時的な快楽を意味するのに対し、「ウェルビーイング(Well-being)」は持続的な幸福を意味する。1946(昭和21)年にWHO(世界保健機関)が設立された際、設立者の一人であるスーミン・スー博士が健康の定義としたことがきっかけで広まった。
近藤さんは、同町のウェルビーイングの在り方を模索するため、「一人一人の幸せとは何か」をテーマに掲げ、積極的に横瀬町民へのインタビューを実施。その内容を中心に、ウェルビーイング通信「ぬくとまる」を月1回、ウェブ・紙媒体で活動の様子を発信している。秩父弁の「ぬくとまる」が由来で、「読んだ人の心がほっと温かくなってほしい」という思いを込めている。
同イベントは「奇兵隊」(東京都港区)とのコラボレーションにより企画が生まれた。同社は、Web3の技術を活用したクラウドファンディングサービス「Open Town(オープンタウン)」を運営している。今年、同町の官民連携プラットフォーム「よこらぼ」に採択され、「Open Town Yokoze(オープンタウンヨコゼ)」プロジェクトが始まった。
当日は、同社のLourdesさんが講師としてAIの活用方法をレクチャーし、その後は参加者それぞれがAIを活用して「ウェルビーイングだ」と思う世界観をアートとして制作する予定。
近藤さんは「AIが人間の仕事を奪い、考えるカさえも衰えさせるのではという否定的な声があるが、近い将来AIと共に生きる時代は必ず訪れる。そんな新しい時代をワクワクして迎えられるためのメッセージを、今回のイベントを通して伝えたい」と意気込む。