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秩父「橋本製菓舗」、9カ月ぶりに営業再開 母から娘に継承しながら

みっち。さんと、母・ハマさん

みっち。さんと、母・ハマさん

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 秩父の国道140号線を、押堀橋の交差点から入った道沿いにある菓子店「橋本製菓舗」(秩父市下影森)が10月20日、営業を再開した。店主の橋本ハマさんが体調を崩したため、1月末から閉店していた。今後は長女のみっち。さんが中心となり、日にちを決めて不定期営業となる。

「橋本製菓舗」外観

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 同店は61年前に営業を開始。みっち。さんの祖父の重太郎さんは菓子職人で、さまざまな店で菓子を作り、戦時中は会社員として働いたこともあるという。戦後は市内の菓子店で勤務し、退職後に同店を開いた。重太郎さんがみっち。さんの父・善三さんとハマさんに菓子作りを教えながら営業していた。

 14年前まではハマさんと善三さんの2人で営業していたが、善三さん急逝後はハマさんが一人で店を切り盛りしていた。あんこ作りをハマさんが重太郎さんから直接習って作っていたことと、菓子作りのレシピが残っていたため、善三さんが亡くなった後も営業できていたという。 

 みっち。さんは「幼い頃から店が開いているのが当たり前だったので、母が倒れてから店のシャッターが閉まっているのが嫌だった。近所の方々にも随分と心配をかけた」と話す。「店は母がやってきたもので、『このまま店が終わっちゃうのかな』と思っていたが、『私が店をやればいいのか』と改めて気づいた」と振り返る。

 ハマさんの退院後、みっち。さんが『自分が店をやる』と伝えるとハマさんはどんどん元気になったという。ハマさんは「みっちゃんがおいしいご飯を作ってくれるし、何でもパワフルにやってくれるのでありがたい。娘が居て良かったな、娘が居なかったら本当にしんどかったと思う」と話す。

 6月ごろからはあんこの作り方をみっち。さんがハマさんから習い、まんじゅう作りなどから練習を始めた。みっち。さんは歌や踊りのパフォーマンス活動を行っており、自作曲「和菓子屋の娘のうた」の中ではあんこが苦手で「私はあんこが食べられない和菓子屋の娘」と公表している。

 ハマさん監修の下、「黒糖まんじゅう」(90円)を作ったり、あんこの入っていないみそ味のまんじゅう「みそやき」(100円)、まんじゅうの皮だけの「かわだけ」(60円)、「すあま」(2個入り180円)、「赤飯」(450円)など品数を絞り、駄菓子などと共に販売する。「お客さまから、みたらし団子や大福が食べたいというご要望があるので、母に少しずつ教えてもらって作れるようになって、皆さんに喜んで頂きたい」と意気込む。

 「店を開くに当たり、少し店内を改装した。父が使っていた事務室を『ふところ』というスペースにして、私の活動のアイテム展示やお客さまに使ってもらえるトイレも設けた。私なりに店を営業しながら、たまに店内でミニライブなども開きたい。ずっと心配をかけていた近所の人にも、お菓子と音楽も含めて楽しんでもらえたら」とも。

 営業時間は11時~14時ごろ。営業日は店頭の立て看板やSNSで知らせる。

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