見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

秩父に関係人口創出拠点 ミッション取り入れ「観光以上」の体験を

SAGOJOのスガ取締役と、案内人の松田さん

SAGOJOのスガ取締役と、案内人の松田さん

  • 51

  •  

 秩父市が管理する、築44年で15年ほど空き家だった家を活用した関係人口創出拠点「TENJIKU秩父(テンジクちちぶ)」が10月5日、相生町交差点の近くにオープンした。

施設内のDIYもミッションとして用意。壁の塗装などを行う。

[広告]

同施設は全国の地域事業者と旅や地域貢献に関心を持つユーザーを結びつけるプラットフォームを運営する「SAGOJO(サゴジョー)」(東京都品川区)との取り組みの一環。秩父市と同社の取り組みは2020年11月に「秩父ファンクラブ」の立ち上げから始まった。「観光よりも、さらに一歩踏み込んだ『持続可能な人口』を作りたい」という思いから秩父市移住センターが、伴走するかたちで関われる企業として取り組みがスタート。現在では400人以上が秩父ファンクラブに参加している。

 2月には秩父市と同社が地域活性化に関する協定を結び、準備期間を経て同施設のオープンに至った。秩父地域では2021年に小鹿野町の「お試し住宅」と提携して開いた「TENJIKU小鹿野」(小鹿野町飯田)に続いて2拠点目となる。

 「旅×シゴト」をコンセプトに、観光促進や移住や関係人口の創出を目指す地域と、地域貢献に関心の高い 「旅人」 をマッチングする人材プラットフォームを運営する同社。「旅人」と呼ばれる登録者は2万6000人を超える。TENJIKUは同社の取り組みの一つで、地域で用意されている「ミッション」に携わることを条件に、旅人は秩父を含め14拠点あるTENJIKUに無料で滞在できる。

 秩父でのミッションは、改装途中の同施設の壁の塗装などのDIYや地域活動。現在準備している地域活動はホタルの環境整備に関わる「上町ホタルの会」との川の清掃活動や、秩父ミューズパーク(秩父市田村)で行っているランニングイベント「秩父ミューズパークparkrun(パークラン)」の運営手伝いなど。今後は地域住民からのミッションも受け付けるという。

 同施設の案内人を務める元秩父市地域おこし協力隊の松田あずささんは「秩父市にある『お試し住宅』は安全上の理由から単身では利用できなかったため、単身者も受け入れられるTENJIKU秩父ができてうれしい。『旅人』には観光では味わえないような秩父を知ってもらえるように、ミッションも探していきたい」と話す。

 同社のスガタカシ取締役は「全国の拠点でミッションをしながら旅をしている人もいれば、自身の特技を用いて地域でワークショップを開いている人もいる。拠点によっては地元住民が『次の旅人はどんな人が来るのだろうか』と楽しみにしてくれているので、秩父もそのようになっていってくれれば」と期待を込める。

 滞在希望者はTENJIKUのサイトで会員登録の上、申込。初回滞在時には、ミッション内容をすり合わせるなどの簡単な面談を行い、滞在が可能となる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース